赤緑世代は衝撃な「ポケモンずかん」進化の歴史 ツッコミたくなる説明文は伝統?
1996年2月27日に誕生した「ポケットモンスター」(ポケモン)。世界中で愛される人気シリーズに第1作目から登場し続ける重要アイテム「ポケモン図鑑」の歴史を紐解きます。作品を重ねるごとに扱われ方や本体デザインはどのように変化していったのでしょうか。
生誕27周年!「ポケモン」と共に歩んできた重要アイテム
2023年2月27日で発売から27年を迎えた「ポケットモンスター」(以下、ポケモン)。同シリーズには、第1作目から伝統的に受け継がれている要素がいくつか存在します。例えば、プレイヤーが最序盤で入手する「ポケモン図鑑」もそのひとつ。『ポケットモンスター 赤・緑』(以下、赤・緑)以降も各作品に登場し、ゲーム・アニメ・マンガでもたびたび使用シーンが描かれています。
今回は同シリーズを支え続けてきたポケモン図鑑にフォーカス。基本スペックにくわえ、意外と知られていないデザインの変遷をご紹介します。
●シリーズ皆勤賞!多方面で輝く「ポケモン図鑑」
ポケモン図鑑とはその名の通り、プレイヤーが旅の道中で出会ったポケモンを記録する情報端末です。まだまだ未知数な部分が多いポケモン研究に欠かせない重要アイテムとして、『赤・緑』から一度も外されることなく登場(スピンオフ作品を除く)。外見・名前・鳴き声・生息地……等々、ポケモンの特徴を自動的に記録し、ゲーム開始時から主人公(プレイヤー)の旅をサポートしてくれます。
タイトルごとに細部は事なれど、「最序盤に研究者からポケモン図鑑を譲り受ける」「パートナーポケモンと一緒に旅へ出発する」というのが、同シリーズにおける定番の流れです。
アニメ版ではマサラタウン出身の主人公「サトシ」が所有し、旅先で遭遇したポケモンを調べる目的で使用。ポケモンの生態データが入力されているほか、ポケモンセンターの利用時に身分証明書として掲げるシーンも描かれました。
ちなみに、ポケモン図鑑のテキスト読み上げ音声は、林原めぐみさん(ムサシ役)・三木眞一郎さん(コジロウ役)などなど、劇中のキャラクターボイスを務める声優陣が担当しています。
上述のゲーム&アニメにくわえ、1997年から連載中のマンガ作品『ポケットモンスター SPECIAL』にもポケモン図鑑が登場します。マンガ版は生態データの記録だけでなく、「ポケモンの不必要な進化を抑制する」「ポケモンの感情を読み取る」といった独自機能を搭載し、同シリーズの世界観により一歩踏み込んだ設定が補完されました。
●電子手帳からスマホへ 移り変わるデザイン
ポケモン図鑑のデザインは時代を経るごとにアップデートされています。『赤・緑』の頃は最もベーシックな電子手帳型で、カバー部分にテンキーがついているタイプ。そこから10年後の『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール』になると、ニンテンドーDSを模したダブルスクリーン型へ変化。その後は音楽プレーヤー型、タブレット端末型となり、見た目や操作系統(画面タッチ式など)も様変わりしていきました。
そして、2016年発売の『ポケットモンスター サン・ムーン』からはついに「ポケモンと融合」を果たします。プラズマポケモンの「ロトム」と合体することで、従来の機能はそのままに自我を持つことに成功。以降はロトムがフォルムチェンジしたタブレット端末および「スマホロトム」に組み込まれ、独立した情報端末としてのポケモン図鑑は役目を終えることになりました。
とはいえ重要アイテムであることには変わりなく、最新作『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』では「高所から落下した際に衝撃を和らげる」機能が実装され、利便性がより増したように思われます。