マンガ・アニメで再生したプラモ3選、来日観光客の人気みやげにも?/静岡ホビーショー
プラモデルのなかでも定番の「スケールモデル」が、アニメやマンガの人気作とのコラボによって活性化しています。
違いは「デカールのデザインだけ」 それでも売れるワケ

自動車や戦車、飛行機などを「48分の1」といった縮尺に基づいて再現したプラモデルは、業界やファンの間では、「スケールモデル」と呼ばれています。約60年の歴史をもつ日本のプラモデルでは定番の商品ですが、特に2010年以降、この「スケールモデル」がアニメやマンガによって活性化しているのです。
『艦隊これくしょん-艦これ-』や『ガールズ&パンツァー』など、いわゆる「萌キャラ」と兵器を組み合わせた作品などがヒットし、関連商品としてプラモデルも数多く発売されています。
ただ、メーカーにとって、プラモデル生産の要となる「金型」を起こすには膨大なコストがかかります。メーカー関係者によると、アニメ・マンガ作品とのコラボモデルは、既存のスケールモデルのキットを流用してラインナップを充実させるケースがほとんどだといいます。
それでも、アニメ・マンガコラボのスケールモデルが支持されているのはなぜでしょうか。2019年5月8日から12日まで開催中の模型の展示会「第58回 静岡ホビーショー」(ツインメッセ静岡)会場で、各メーカーに話を聞きました。
リアリティへのこだわりーーハセガワ『荒野のコトブキ飛行隊』

航空機のスケールモデルで定評のあるハセガワがリリースしている、『荒野のコトブキ飛行隊』シリーズは、登場人物たちの乗機である、零式艦上戦闘機や一式戦闘機「隼」などを再現した製品です。
描き下ろしイラストのスタンドフィギュアが付属するものの、デカール以外に通常の零戦や「隼」のスケールモデルとの大きな違いはないそうです。それでも、同作の主人公キリエと、キリエの幼なじみエンマの乗機(いずれも「隼」)は販売好調で、最近も再生産がかかったといいます。
ハセガワ企画開発部の担当者は、航空機模型としてのこだわりは多くあるとしつつも、「特にこだわっているのは、パネルの継ぎ目のシャープな線」と話します。単にパーツ上に線を引くのではなく、細い溝を掘ってそこに色を入れた表現は、鋼鉄でできた飛行機のリアリティをより強く感じさせます。元々のスケールモデルのクオリティの高さが、同社の『荒野のコトブキ飛行隊』シリーズの魅力を高めているようです。