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「ポケモンと合体した男」マサキの異常性 後のシリーズで重要な役割も?

初代『ポケモン』に登場した「マサキ」という男。今思えば「ポケモンと合体」するという恐ろしいことを実現しています。実は20年の時を経て、伏線が回収されていました。

「ポケモンと合体」……時が経つに連れて怖くなる謎の男マサキ

『ポケットモンスター 赤』(任天堂)
『ポケットモンスター 赤』(任天堂)

『ポケットモンスター』シリーズにはそれは個性的なキャラクターが登場します。初代『赤・緑』でもオーキド博士、ロケット団、ジムリーダーに四天王と、彼らとの出会いはゲームボーイの小さい画面上のものとは思えないほど、強烈なインパクトを残しました。

 さて、こうした初代『赤緑』で出会うキャラたちのなかにおいて、他シリーズと比べても何やら「謎」な人物がマサキです。ゲーム序盤、ハナダシティの北に位置する「24ばんどうろ」のとある家に住んでいる彼でしたが、初対面は「ポケモン」の姿をしていました。

 彼が関西弁(コガネ弁)で懸命に語るところによれば「じっけんに しっぱい して ポケモンと くっついて もうたんや」とのこと。

 言われるままに彼を「分離」してあげると、サントアンヌ号のチケットをお礼にもらって、一旦はめでたしめでたし。のちにマサキが「ポケモン預かりシステム」の管理人であることが判明するのですが、いずれにせよ『ポケモン』世界に不慣れなプレイヤー側からすれば「まあ、そんな人もいるのか」程度の認識でなんとなくイベントが終わります。

 ところが、シリーズを重ね徐々に『ポケモン』の世界観が固まっていくにつれ「ポケモンと人間が合体してしまう」ことが相当クレイジーな状態であることが浮き彫りになっていきます。おそらくは映画『ハエ男の恐怖』のパロディくらいの小イベントであったはずが、時間が経過するにつれ、あるいは当時の子供が大人になるにつれて、その「マサキのやばさ」が際立ち始めるのです。実際、それを受けてネットではマサキに関する「都市伝説」が溢れることに。

 さて初代発売から20年が経過した2016年の『ポケットモンスター サン・ムーン』。ここでまさかの「人間とポケモンの合体」というマサキの珍事件が重要な意味が与えられたのです。確かにマサキの技術力を悪用しようと思えば、いくらでも悪用できたはず。彼が単なるご機嫌なポケモンマニアであったことは『ポケモン』世界にとって、実はとっても幸せなことだったのです。

(片野)

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