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【漫画】「まさかうちの子が」いじめ加害者と被害者の母親、苦悩と迷走の日々『娘がいじめをしていました』

小5の娘が同級生をいじめている……そのとき母親は? コミックエッセイ『娘がいじめをしていました』が2023年3月30日(木)に発売されます。いじめを加害者・被害者双方の「親」の視点から描いたセミフィクション作品。作者・しろやぎ秋吾先生にお話を聞きました。

子供のいじめに親はどう対応すべきか? ふたりの母の姿に考えさせられる

SNSの「#いじめ告発」を見た加害者の母は… (C)しろやぎ秋吾/KADOKAWA
SNSの「#いじめ告発」を見た加害者の母は… (C)しろやぎ秋吾/KADOKAWA

 自分の子供がいじめの当事者だと分かったら、あなたはどうしますか……? いじめ問題を取り上げたコミックエッセイ『娘がいじめをしていました』が2023年3月30日(木)に発売されます。いじめを加害者・被害者双方の「親」の視点から描いたセミフィクション作品で、作者はSNSでフォロワー体験談をマンガ化して投稿している、しろやぎ秋吾先生( @siroyagishugo )です。

 登場人物は小学5年生の女の子・赤木愛と馬場小春、その家族。娘の愛が同級生の小春ちゃんをいじめていることを知った両親は、馬場さん宅に謝罪に行きました。しかしその後、小春ちゃんは不登校になってしまいます。赤木さんと馬場さん、ふたりの母親は娘への対応に思い悩む日々を送りますが、ある日、SNSでの投稿をきっかけに、事態は思わぬ方向に展開していきます。

 作品は一貫して親目線での描写となっており、いじめの実態や子供の本心は明らかにはなりません。また、いじめ問題について「こうしたら良い」という正解が示された結末でもありません。

 いじめを許せない、認めたくない、我が子を守りたい……親、特に母親のいろいろな感情と行動がそのまま描かれています。本書のあとがきで作者は「自分ならどう思うだろう、どう行動するだろうと考えるきっかけになれば幸いです」と述べています。

 作者のしろやぎ秋吾先生に、作品についてお話を聞きました。

ーー『娘がいじめをしていました』を描くことになったきっかけを教えて下さい。

 きっかけはKADOKAWAの編集さんに企画の提案をいただいたからです。企画を聞いて自分も読んでみたいと思ったからです。

ーー描かれる「いじめ」の生々しいストーリーがほかにはない、魅力のひとつです。このストーリーを描く際に、特に意識した点はありますか?

 特に意識したのは普通の家族に起こった出来事にしたことです。「普通」って何だよって話ですが、目立って問題になりそうな要因が家庭内に見当たらないような、子供が何にストレスを感じているのか分からない、気付けないような家族の出来事にしました。

 第1章(ある出来事がひと段落するまで)のストーリーは割と早く描けたのですが、第2章以降でかなり長期間手が止まってしまいました。自分自身、もし主人公の立場になったらここで悩むんだろうなと思いました。

コミックエッセイ『娘がいじめをしていました』が2023年3月30日(木)に発売 (C)しろやぎ秋吾/KADOKAWA
コミックエッセイ『娘がいじめをしていました』が2023年3月30日(木)に発売 (C)しろやぎ秋吾/KADOKAWA

ーーいじめた側といじめられた側の「家族の目線」という、着眼点が新しい作品です。なぜ、当事者ではなく両親をメインにしたのでしょうか?

 テレビでいじめのニュースをみて、第1章冒頭のお父さんのように「親は気付かなかったのか」と思うことがあります。じゃあ親は何が見えていたのだろう、いじめの当事者じゃないのに、現場を見ていないのに何ができるんだろう、何も知らないのに無責任にどうしてこんなに許せないんだろう、と思って描きました。

ーーしろやぎ先生ご自身もふたりのお子さんを持つ父親です。この作品を制作するにあたって、子育てへの意識の変化などはありましたか?

 学年があがったり、保育園から小学校にあがったり、それぞれこういう場面で困るだろうな、というのはありますが、あまり決めつけずに普段からコミュニケーションをとっていこうと思います。でもこれはフィクションだから、自分には関係ない話だから、まさかうちの子がいじめなんてないだろうと思っている自分もいます。

ーー今後の創作活動において、新たにチャレンジしてみたいことはありますか?

 絵を描くのを続けられたら何でもいいです。続けるために頑張ります。

(マグミクス編集部)

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