そんな勝手な…初代『ガンダム』同情を禁じ得ないアムロへの無茶振り
アニメ『機動戦士ガンダム』を見て、誰もが一度は思う「アムロ無茶振りされすぎ」問題。ひょんなことからガンダムのメインパイロットとなり、地球連邦軍の兵士となったアムロ・レイは、これまで数々の無理難題を出されてきました。今回は、そんなアムロの無茶振り歴に注目します。
水爆ミサイルを破壊せよ!?
アニメ『機動戦士ガンダム』の主人公、アムロ・レイは、最終的にニュータイプへ覚醒し、伝説のエースパイロットとなりますが、そこに至る道のりは決して容易なものではありませんでした。ガンダムのメインパイロットになって間もない頃から無理難題を押しつけられ、時には殴られ……。ブーブー文句を言いながらも、さまざまな無茶振りに応えてきたのです。
アムロはアニメ第1話で初めてガンダムを操縦し、続く第2話ではジオン公国軍のエースパイロット、シャア・アズナブルを退けることに成功します。本来であれば彼に対して労いの言葉ひとつあっても良さそうなところですが、ホワイトベースの艦長、ブライト・ノアは開口一番に「ガンダムの性能を当てにしすぎる。戦いはもっと有効に行うべきだ」と言い放ちました。
さらには、まだパイロットスーツも着ていないアムロに対して「甘ったれるな!ガンダムを任されたからには貴様はパイロットなのだ」「この船を守る義務がある」と、重すぎる責任を負わせます。ブライトさん、アムロはついさっきまでただの民間人だったんですよ……。
それでもアムロは自分の使命を全うしていきますが、第3話でブライトは「君は敵の向こうを回り込みすぎだ」と、またしてもチクリ。シャアと戦ったことがあるのならもっと立ち向かい方を考えろと、素人同然のアムロを叱りつけるのです。何度も言いますが、アムロはついさっきまでただの民間人でした。彼が「僕ホントにあの人を殴りたくなってきた」とぼやくのも無理はありません。
ブライドの無茶振りはその後も続き、しまいにはアニメ第25話で「水爆ミサイルの破壊」まで要求してきます。そう、あの水爆です。さすがのアムロも「そ、そんな!できるわけないでしょう!?」と怖じけますが、ブライトは雑な分解図だけ渡して「点線のとこでたたき切ればいい」と命令していました。
無茶を言うのは、何もブライトだけではありません。シャアの妹、セイラ・マスもまた、事あるごとに無茶振りを連発してきました。発進後4分で敵のザク4機を倒すよう命令したり、陸戦兵器であるガンダムでいきなり空中戦をやれと要求したり……。空中戦に関しては「大丈夫。自由落下で1分以上空中にいられるのよ」「あなたならできるわ」とおだてていましたが、1分ほどしかいられない空中戦のいったい何が大丈夫なのでしょうか。
とはいえ数々の無茶振りを、何だかんだ全てやってのけたアムロ。ブライトやセイラが無茶を言うのも彼のスペックが高いからこそで、きっとアムロならできると期待を寄せていたのでしょう。そんな軍事経験が彼をそうさせたのか、『機動戦士Ζガンダム』第16話では共闘していたカミーユ・ビダンに対し、アムロも「後ろにも目をつけるんだ!」と無茶な発言を繰り出していました。
(ハララ書房)