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異世界転生ジャンルの異端『異世界おじさん』は、30代の心に悲哀の渦を起こすマンガ

「フラグ」を折りまくる、残念エピソードが続々

意気投合した2人は生活費を確保するためYouTubeで広告収入を得る。このYouTubeサムネが実際にありそうで絶妙
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 叔父はゲームプレイで培った知識・経験を異世界で存分に生かし、強大な敵も倒していきます。彼は基本的に常識人で善人で、能力もあります。なのに、異世界でもぼっちのまま。

 叔父のいう「毎日まとわりついてきて人格否定や罵倒をしてくる」美しいエルフは、実は叔父を慕っているのに素直になれず、キツイ言葉に走ってしまうツンデレ。叔父の「魔物並みに醜い容姿」も関係なしに叔父を慕う彼女が、遠回しに告白しても気がつかずスルー。叔父は自身が意図せずプロポーズしてしまいOKをもらっていることにも気づかない。うまくいく要素が満載なのにもどかしい…それも叔父の魅力なのです。

 根っからのぼっち思考な叔父に、「フラグ回収」という文字はありません。異世界のツンデレエルフにも美女たちにも目もくれず、ひたすら「SE●A」のことを想い生き抜く姿は清々しくもあります。

 鈍感ではありますが、ジェントルな叔父には女性の読者も好感度が高いのではないでしょうか。服が焼け焦げ、肌が露わになったツンデレエルフには服を貸し、たかふみに恋心を寄せる幼馴染の藤宮にも礼儀正しい。自分にひどい仕打ちをした相手でも、窮地に陥れば助け、見返りを求めません。

 いい人なのに自らフラグを折りまくり、「異世界でもうまくいかなかったなあ」とぽつりつぶやく、報われない鈍感系主人公のおじさんに、悲哀と愛おしさがあふれてきます。

 なんてしょうもないんだ、でも大好きだぜ、そんなお前のこと……! 悲哀と愛おしさの幾重ものミルフィーユ、もしくは酸いと甘いの波状攻撃。口いっぱいに広がって、次のページを求めてしまう、やみつき漫画です。

(川俣綾加)

【画像】切なすぎ!『異世界おじさん』読者の心えぐるシーン(6枚)

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