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雑に殺され過ぎて「逆に人気」なジャンプのネタキャラ 「伝説の変装」で爆笑

「週刊少年ジャンプ」の作品のなかには、わずか数ページでアッサリやられたのに、やられ方や残したセリフのインパクトが強く、人気なったキャラもいます。今回は、そんな扱いが雑なのに、逆に人気になった「ネタキャラ」を紹介します。

まるで漫才のような秀逸なボケとツッコミ

デカすぎるババァがいる『北斗の拳 拳王軍ザコたちの挽歌』第1巻(徳間書店)
デカすぎるババァがいる『北斗の拳 拳王軍ザコたちの挽歌』第1巻(徳間書店)

 ジャンプ作品には、見事な死亡フラグを立てて、しっかり回収して死んでしまった『鬼滅の刃』のサイコロステーキ先輩、中二心を絶妙にくすぐるセリフで人気なった『HUNTER×HUNTER』の団長の手刀を見逃さなかった人など、多くのネタキャラが登場しています。今回は、彼らのような、ジャンプの雑な扱いなのに逆に人気になったのネタキャラを紹介します。

●デカすぎたババア『北斗の拳』

 核戦争後の荒廃した世界が舞台の『北斗の拳』には、多くのネタキャラが登場しています。なかでも「デカすぎたババア」は、名前すら登場しておらず戦闘も一瞬でしたが、ケンシロウとの絶妙な掛け合いでインパクトを残し、人気になったキャラです。

 カサンドラ監獄に囚われていたトキと合流したケンシロウは、死の灰に犯されたトキの体を気遣い、途中で見つけた小屋で休ませてもらうことにしました。小屋に入った彼らの前に現れたのは、身長が3mくらいありそうな、大きすぎる老婆だったのです。

 その巨体とは裏腹に老婆はとても親切で、快く休息を承諾し、水まで提供してくれました。しかし、ケンシロウは「ばあさん その水飲んでみろ」と、老婆に毒見を促します。その言葉で追い詰められた老婆は、正体を現しました。

 巨体の老婆に変装していたラオウの手下は、ケンシロウに襲い掛かりましたが、ケンシロウの蹴りであっさりとやられます。わずか数ページのやり取りでしたが、この時に交わされた「俺の変装を見破っていたのか~~!!」「お前のようなババアがいるか!!」という会話は、自分の変装の異様さに気付いていない敵の天然ボケと、ケンシロウの真顔でのツッコミが秀逸で、いまでもネットミームとして見かけるほど人気になりました。

 シリアスなストーリーながら、『北斗の拳』には多くの「ネタキャラ」が登場しており、彼らだけで『北斗の拳 拳王軍ザコたちの挽歌』というスピンオフマンガが作られるほど、人気を博しています。

●ヌケサク『ジョジョの奇妙な冒険』

『ジョジョの奇妙な冒険』の3部に登場したヌケサクは、DIOの館に住む手下のひとりです。しかし、その本名は知られておらず、間の抜けた行動から、ファンからも仲間からも、そして主人公たちからも「ヌケサク」と呼ばれています。

 ヌケサクは、DIOから血を分け与えられた不死身の吸血鬼で、後頭部に女性の顔を出現させ、体型や髪型を変化させる能力を持っています。そして、ヌケサクは女性に化けて、館にやって来た承太郎たちに助けを求め、スキを突こうとしました。

 しかし、頭を裏返しているのに両手の左右を入れ変えていなかったため変装を見抜かれ、 「不死身度チェック」と称した「スタープラチナ」のラッシュを喰らって、戦意を喪失します。その後、ヌケサクはDIOが昼間に眠っている棺桶まで案内させられ、蓋を開けさせられるのですが……開けた瞬間、ヌケサクは時を止めるDIOのスタンド「ザ・ワールド」の力を示すために、棺桶内で八つ裂きにされ退場しました。

 詰めの甘い変装を「無敵の能力」と呼ぶ間抜けさ、アッサリ負けを認める素直さ、何より自分が間抜けだということに気付いていない点など、まさに「ヌケサク」と言う名にふさわしい振る舞いです。ヴァニラ・アイス、DIOという強敵との死闘の間に挟まれたヌケサクとの戦いは、一服の清涼剤のようなホッとする緩さがあり、それも彼が人気のある理由のひとつのようです。

●渋井丸拓男『DEATH NOTE』

 緊迫の頭脳戦で人気を博した『DEATH NOTE』にも、割れアゴに出っ歯という容姿にもかかわらず「シブタク」というキムタクを意識したニックネームを名乗る図々しさで、読者に強いインパクトを残した男・渋井丸拓男が登場します。彼は名前を書かれると死ぬ「デスノート」の、作中ふたり目の犠牲者です。

 仲間とともに路上で女性をナンパしていたシブタクは、「俺 渋井丸 拓男 略してシブタク へへ…付き合ってよおねーさん」と声をかけました。拒否し怖がっている女性を見て、彼は仲間と一緒に取り囲んでからかい始めます。そんなモラルのないシブタクを目撃した月は、デスノートにシブタクの名前を書き、本当に死ぬのかを実験し、事故死という形で殺害しました。

 好感は持てない男・シブタクですが、モラルがないだけで殺されるほどの罪は犯しておらず、読者の間では同情の声もあがっています。また、アニメ版では路上で暴行未遂、実写映画では薬物中毒の殺人犯となっており、メディアによって悪さの度合いが違うキャラでもありました。

 シブタクはネタキャラではありますが、犯罪者ではない彼を裁いたことで、月はデスノートを使った大量殺人への一歩を踏み出しており、物語上では要な立ち位置の人物です。

(SU_BU)

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