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『ガンダム』ヤラれても戦わない、地球連邦軍の「不自然」な態度 シャアの粛清も納得?

戦わない地球連邦の「思惑」とは?

『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』DVD(バンダイビジュアル)
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 本題に話を戻します。『機動戦士Zガンダム』で、7年前に全滅したはずの「サイド1・2・5」は再建されています。つまり、『Z』でサイド1・2・5に住んでいた人たちは「一年戦争後にどこからか移住されてきた」としか、考えられません。

 地球連邦は「宇宙に人口の大半を上げる」という公約を0050年に中止しましたが、一年戦争以降、サイド1・2・5を再建して、地球居住者をそこに移住させたことで、公約が概ね達成されたのではないでしょうか。

 こうした前提に立つなら、『Z』以降の地球には人口はほとんどいないことになります。にもかかわらず、地球連邦の首都は地球上のダカールで、一年戦争前と同じく地球から宇宙を支配しようとする特権階級がいて、それらは地球に残っている。また、連邦の方針に反して、反スペースノイドで、不法滞在となっても、地球に残った人たちもいたのでしょう。

 状況がこうであれば、ハヤトの「地球連邦はコロニーが落ちても何もしない。連邦政府の望みは地球の人口が減ることだ」、シャアの「地球に住む者は自分のことしか考えていない。だから抹殺すると宣言した」「人類が絶対に戦争を繰り返さないように、地球圏の戦争の源である、地球に居続ける人々を粛清する」は、ある程度理解できます。

「地球にほとんど人がおらず、いるのはごく一部の特権階級と不法滞在者だけ」なのであれば、地球にスペースコロニーや小惑星が落とされても、地球連邦としては多大な労力と人命をかけて、阻止することはしないでしょう。

 だから『0083』では阻止しようとして、『Z』以降では「無視」したし、シャアも「地球にアクシズを落としても、人はほぼいないから警告でしかない。私は人類の中心が地球に戻らないようにしているだけだ。だが、それでも罪は罪だから、父ジオンの元に召されても仕方ない」と考えているのではないかとも、考えられます。

『機動戦士ガンダムUC』で、フル・フロンタルはサイドだけで経済を完結させる「サイド共栄圏」を提唱していますが、地球にほとんど人口がいないと考えるのであれば「地球の無視」はリアリティを持って考えられるのかもしれません。

(安藤昌季)

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