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『アイアンキング』最終回から50年 思わぬミスで風評被害や都市伝説を生んだ?

特撮ヒーロー番組が群雄割拠した半世紀前に人気番組の一角を誇った『アイアンキング』は、再放送をきっかけに思わぬ都市伝説を生むことになりました。「風評被害」とも言える、その事件について振り返ります。

当時の有名俳優による規格外の特撮ヒーロー作品

「『アイアンキング』フルセットDVD」(デジタルウルトラプロジェクト)
「『アイアンキング』フルセットDVD」(デジタルウルトラプロジェクト)

 本日2023年4月8日は、半世紀前の1973年に特撮ヒーロー番組『アイアンキング』の最終回「東京大戦争」が放送された日です。特撮ヒーローブームだった当時、たいへん高い人気のあった作品でしたが、この最終回をめぐって後年に思わぬ「風評被害」を受けることになりました。

『アイアンキング』は1972年10月8日から放送開始し、全26話が放送された作品です。当時の作品としては珍しく、重くシリアスな内容ではなく、軽快でノリのいい展開が特徴として挙げられるでしょう。今風にいえば、「大人の鑑賞にも耐えうる作品」といったところです。

 これにはいくつかの理由がありました。なかでも主人公である静弦太郎を演じた石橋正次さんが、当時すでに一般的にも知られるほどの大人気歌手であり、青春ドラマで活躍する有名俳優でもあったからというのが大きかったと思います。

 本作放映中の1972年にNHK紅白歌合戦に出場していたといえば、そのネームバリューはわかるでしょう。近年では特撮番組をきっかけにスターダムを駆けあがる役者は少なくないですが、押しも押されぬ有名俳優が特撮番組の主演というのはあまり例がありません。

 この弦太郎の相棒がアイアンキングに変身する霧島五郎です。演じるのは吉永小百合さんの相手役として数々の日活作品で活躍した浜田光夫さん。この二大俳優の軽快な掛け合いが本作の魅力となり、作品に心地よい独特のテンポを与えました。

 本作はそれ以外にも他の特撮ヒーロー番組にはない仕掛けがあります。前述の文でわかると思いますが、本作でヒーローに変身するのは主人公ではなく相棒の方でした。しかもアイアンキングが敵を倒すよりも、弦太郎が敵の巨大ロボを倒すことが定番となっています。そのため、アイアンキングは「史上最弱のヒーロー」という不名誉な言われ方もされました。

 後半でアイアンキングが敵を倒すという定番パターンも見られるようになりますが、あくまでも主人公は弦太郎。アイアンキングは主人公を助ける相棒役に徹します。その正体は弦太郎さえも知らず、後述する最終回でようやく正体がわかるという展開でした。

 放送当時の人気も高く、その後にも根強いファンが多くいることで比較的、特撮ヒーローとしては知名度の高い作品です。しかし、とある事情から思わぬ風評被害を受けることになってしまいました。それは現在のコンプライアンスにてらせば、ありえない事件だったのです。

【画像】敵に憑依されたアイアンキング 子供たちは恐怖した?(6枚)

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