「峰不二子」とは何者なのか? 『ルパン三世』浄園プロデューサーに聞く
ルパン三世一味の紅一点、峰不二子。彼女が主役となって活躍する劇場アニメ『LUPIN THE IIIRD 峰不二子の嘘』の公開も2019年5月31日に予定されています。セクシーかつ頭脳明晰で、宝石など美しいものをこよなく愛し、束縛されることを嫌う彼女はいったい何者なのでしょうか。
モデルはミック・ジャガーの彼女だった?
ルパンたちと出逢って間もない、若き日の峰不二子を主人公にした劇場アニメーション『LUPIN THE IIIRD 峰不二子の嘘』の2019年5月31日(金)の公開を前に、『ルパン三世』シリーズを数多く手がけてきた浄園祐プロデューサーのお話を交え、「謎の女・峰不二子」の魅力と正体に迫ります。
「女盗賊か女スパイか、この俺にも分からない謎の女」ーーこれは、テレビアニメ『ルパン三世』第1シリーズ(日本テレビ系)における、ルパン三世自身によるナレーションです。平気で味方を裏切る悪女ながら、日本で長きにわたって愛され続ける女性キャラクターは他に類を見ません。
その初登場は1967年、モンキー・パンチ原作のコミック『ルパン三世』の第3話「死んでゆくブルース」から。ルパン三世と共謀し、第4話「アかせて頂戴あいつのハナ」で大財閥を乗っ取る悪女ぶりを見せています。その後は、1971年から始まったアニメ版『ルパン三世』、宮崎駿監督による劇場アニメ『ルパン三世 カリオストロの城』(79年)、黒木メイサが不二子役を演じた実写映画『ルパン三世』(14年)など、クリエイターや演者によって異なる容姿を見せています。
テレビアニメでの世間一般へのお披露目となったのは、第1シリーズの第1話「ルパンは燃えているか…?!」。ルパン三世を狙う犯罪組織に捕まった不二子は、拘束された状態でコチョコチョの刑に遭います。「やめて〜」と不二子が悶え喜ぶ姿に、当時の多くの少年たちは”性の目覚め”を覚えたのでした。以来、峰不二子は日本を代表するセックスシンボルとなっています。
不二子のモデルですが、アニメ第1シリーズを手掛けた大隅正秋監督によると、イギリス・フランス合作映画『あの胸にもういちど』(68年)に主演したマリアンヌ・フェイスフルをイメージしていたそうです。マリアンヌはローリングストーンズのボーカル、ミック・ジャガーのガールフレンドとしても有名で、1960年代には大変な人気がありました。