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主人公のクセに「クズ」すぎるキャラ 「いざという時はやる」じゃダメ?

数多あるマンガ作品の人公は、基本的には「正義の味方」「ヒーロー的な存在」として描かれています。しかし、主人公でありながらも、「クズすぎる」ことで話題になったキャラもいました。

ファンから不名誉なテンプレコメントも?

勝負中に涙を流しているカイジが表紙の『賭博堕天録カイジ』13巻(講談社)
勝負中に涙を流しているカイジが表紙の『賭博堕天録カイジ』13巻(講談社)

 マンガやアニメの主人公のなかには、作中の他のキャラや読者から、「クズ」扱いされているキャラもいます。なかでも、ネット上で人気の「クズ主人公」をご紹介します。

「誠死ね」というフレーズも有名になった、アダルトゲーム原作のアニメ『School Days』の主人公・伊藤誠は、「クズ主人公」の代表格かもしれません。そもそも「誠死ね」とは、クズすぎる性格の伊藤誠を嫌うファンから寄せられる、テンプレ的なコメントです。

 なぜそんな風に罵倒されるほど、読者から嫌われているかというと、伊藤誠は良くも悪くも性欲に忠実なうえに、優柔不断な性格のせいで何人もの女性と肉体関係を持っていることが原因です。また、女性の方から男女の関係になりたがることから、「クズ男のくせにモテるから嫌い」という意見もあります。

 ちなみに、伊藤誠の実の父親で、アダルトゲームブランド「Overflow」の「全ての元凶」と言われる男・沢越止(さわごえとまる)は、「この親にしてこの子あり」という言葉が相応しいほどの「近親相姦中毒」でした。性欲の塊のような性格が色濃く遺伝してしまったため、「実は伊藤誠も沢越止の被害者なのでは…」と、恐ろしいことまで考えるファンもいるようです。

 同じ伊藤姓で『賭博黙示録カイジ』から始まる「カイジ」シリーズの主人公・伊藤開司は、正義感こそあるものの、ネット上では「クズ」認定されています。「カイジ」シリーズは、ギャンブルの醍醐味でもある、ピンチからの大逆転劇が魅力です。カイジは毎回、ギリギリの攻防で読者を楽しませています。しかし、賭博で垣間見える勝負師の力量とは裏腹に、計画性のない性格や詰めの甘さで、自分の首を絞める一面が残念なポイントです。

『賭博黙示録カイジ』第1話では遠藤の車にイタズラをしてパンクさせ、『賭博破戒録カイジ』では、地下労働施設にて貴重な通貨・ペリカを散財して「二日連続豪遊」してしまう、自分に好意を寄せてくれている純真な女の子・坂崎美心がタイプではないからと露骨な態度をとってしまうなど、本人の「クズ」な一面も話題になります。さらに、安藤や三好、前田らとてつもないクズたちに幾度も裏切られ、一度共闘した遠藤にも金を持ち去られるなど、「クズを引き寄せる」カイジの「体質」も問題かもしれません。

 ネットでは、「ここぞという時に泣きながら頑張る姿が好きだけど、普段はなぜその強さを発揮できないの?」「頭は良いはずなのに」「伊藤開司は母性本能をくすぐるクズ」という声もありました。打たれ弱く、よく泣きながら「ぐにゃあ」となってしまうカイジですが、だからこそ窮地に陥ったときに見せる粘り強さに心奪われるファンも多いようです。

 最後は、『喧嘩商売』『喧嘩稼業』の「クズ」主人公・佐藤十兵衛を紹介します。中学時代にいじめられっ子だった十兵衛は、古武術・富田流の6代目継承者「入江文学 (いりえ・ぶんがく)」に教えを受けたことで、戦闘能力が開花しました。ただし、佐藤十兵衛の強さの根底にある信念は、「どんな手段を使っても勝利する」ことにあります。戦闘では類まれなる頭脳を遺憾なく発揮し、卑怯な手を使ってでも戦略的に相手を圧倒してしまうのです。

 さらに、推定190cm以上、体重は100kg以上でしっかりと体格に恵まれており、父親はキャリアの官僚で母親は栃木県知事と、かなり「いいところのお坊ちゃん」でもあります。佐藤十兵衛に関して、ファンの間では「恵まれた体格やエリートの親、性格がクズで相手をハメる戦略タイプって、普通は敵キャラの設定だよね」とも言われているようです。

 凶器の使用やドーピングもいとわない卑怯な戦い方だけでなく、性欲も旺盛でセクハラもしてしまう十兵衛ですが、そんな彼が主人公だからこそ、独自の人気が生まれているのかもしれません。

(LUIS FIELD)

【画像】ギャンブルだけじゃなく「顔芸」も得意? 今にも「ぐにゃあ」となりそうなカイジを見る(5枚)

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