なぜ? 『ジョジョ』の「スタンドより波紋派」の意見 「アニメで見やすかった」
多くのファンから愛される『ジョジョの奇妙な冒険』の魅力のひとつは、もちろんバトルです。しかし3部以降、それまでの「波紋」を使った戦いから、「スタンド」を使った戦いへと転換しました。どちらも魅力的なバトルなのは間違いないですが、一部のファンの間では「スタンドより波紋でのバトルの方が好き」という主張があるのです。
波紋こそ「頭脳戦」向き?

人気マンガ『ジョジョの奇妙な冒険』は、2023年2月に待望の第9部の連載が開始され、盛り上がっています。そんんな今後の展開も気になる同作では、第3部以降、それまで使われていた「波紋」から、超能力の「スタンド」へとバトル内容が大きく変化しました。どちらのバトルも魅力的ですが、第3部の連載開始から30年以上が経った今でも、「スタンドより波紋が好き」というファンの意見は一定数存在しています。
波紋とは、修行によって特殊な呼吸法をマスターすることで、血液に波紋を起こし、太陽光と同じ波長の生命エネルギーを生み出す秘法です。作中では、石仮面によって生まれた吸血鬼への対抗手段として使われました。これに対してスタンドは、本人の潜在的な精神エネルギーを具現化した異能力で、「超能力を持った守護霊」のような存在です。肉体をベースにしている波紋は、能力に限界があるのに対して、スタンドのなかにはまさしく「世界を変えてしまう」ような、リミッターがはずれた能力も存在しました。
今も波紋を支持するファンの意見で多かったのが、「スタンドはバトルの内容を理解するのが大変」というものでした。スタンドは、部が進むごとに能力がとても多様化しており、比較的シンプルな波紋の方が、分かりやすいバトルや修行などの要素もあり、「王道バトルマンガらしい」と、評価されているようです。また、2012年のTVアニメ化で、「波紋派」になったという人もいます。複雑で説明の多いスタンドバトルより、波紋の方がアニメで「シンプルに迫力があった」と感じた人が多いようです。
波紋派の意見は増えていますが、もちろんスタンドを支持する意見も多くあります。スタンドの良い点としては、「独創的なデザイン」や「能力の幅の広さ」「バトルへの応用の面白さ」などを挙げる声が多く、次に何が起きるか分からないワクワク感が魅力的なようです。また、波紋でのバトルは第2部まででやりつくしているため、「スタンドに切り替えていなければ、ここまで連載が続いていなかった」という声もありました。
ちなみに、元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏も「波紋派」だったようで、自身のYouTubeチャンネルでの配信で、「ジョジョの何部が好き?」という視聴者からの質問に対し、「2部」と答え「『なんでもあり』のスタンドがそんなに好きじゃないから」と、その理由を述べています。
このひろゆき氏の意見には同調する声も多く、「時を止める」や「創作物のキャラクターを実在化する」「時を一巡させて新しい世界を創る」など、スタンドの「なんでもあり」の要素を好まない層も多いようです。しかし、ひろゆき氏はその後の配信で、第7部を読み終えて「とても面白かった」と感想を述べていました。もしかすると第7部にハマったことで、「スタンド嫌い」は克服されたのかもしれません。
他にも面白い意見として、「実際に身に付けられるなら、絶対にスタンドより波紋」という声もあります。第4部に登場したチープ・トリックのような、本体を殺してしまうハズレの能力もあるスタンドに対して、波紋は回復能力や肉体強化などデメリットが少なく、「安全面」から波紋を選ぶ人が多くいました。また、波紋使いになると寿命も延び若々しくなるため、健康のために波紋を選んだ方がいいと考える人もいるようです。
ここまで、波紋派とスタンド派の意見を紹介してきましたが、波紋とスタンドという違いはあっても、多くの人々が『ジョジョの奇妙な冒険』の世界観に惹かれていることは間違いありません。第9部の連載の他に、第6部のアニメ『ストーンオーシャン』が4月7日に堂々の完結、5月にはスピンオフの実写版映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』の公開も控えるなど、2023年も『ジョジョ』は大きく話題になりそうです。
(SU_BU)