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マンガ・アニメで描かれる「動物」のウソ・ホント 生物の専門家が解説

「文明崩壊後」の生態系を巧みに描いた『ナウシカ』

 一方、『風の谷のナウシカ』は、こちら文明崩壊後の地球生態系の変化について、非常によく考えられています。環境が大きく変わり、それまで生態系のなかでメジャーだった生物グループが衰退してマイナーだったグループが隆盛を誇る(劇中では昆虫類や陸生無脊椎動物と菌類)というのは、これまでの地球の実際の歴史で何度もあったことです。

 また、筆者は日本自然保護協会の自然観察指導員ですが、登録講習会の同期がジブリ関係者さんでした。スタジオジブリは、みなさんご存知のように、実際にそこにある自然からヒントを得て作品を作っておられる素晴らしい企業です。

 筆者は専門学校や幼稚園ほかさまざまな場面で生物について教えるこ機会があるのですが、生物に興味がない人でも、人気の映画やアニメには興味があったりします。

 そういった作品に出てくる生物の話、あるいはモチーフになった生物学的な知識などから話をすると、耳を傾けてくれることが多いです。何よりアニメ好きの私はとても楽しい!これからも、生物学とアニメ・映画のつながりを、いろんな場面で使いたいと思っています。

(大渕希郷/どうぶつ科学コミュニケーター)

【画像】生物学雑誌の表紙を飾った、『ジョジョの奇妙な冒険』

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