「TVにゴジラが出る!」子供たちが興奮した『流星人間ゾーン』 放送は残念すぎる結果に
放送から半世紀を迎えた特撮番組『流星人間ゾーン』は、映画スターだった怪獣王ゴジラの活躍がTVでも見られると、当時の子供たちを熱狂させました。しかし、その放送は延長されることなく半年で終了してしまいます。
「ゴジラ」だけでない面白さがあったのに
本日4月23日は、TV特撮番組『流星人間ゾーン』第4話「来襲!ガロガ大軍団 -ゴジラ登場-」が半世紀前の1973年に放送された日です。映画スターである怪獣王ゴジラのTV出演は、当時の筆者たちお茶の間の子供たちを興奮させました。
もともと『流星人間ゾーン』はゴジラを主役としたTVシリーズ企画から発展したものだったといわれています。当時の『ゴジラ』映画を手がけていた東宝映像が製作した初めてのTVシリーズでした。そういった理由から本多猪四郎監督や福田純監督といった、本家『ゴジラ』映画に関わったスタッフも参加しています。
こういうと本来の主人公であるゾーンファイターが脇役のように思えてしまいますが、そのデザインも活躍シーンもカッコよく、当時の子供たちから人気を集めた巨大ヒーローのひとりでした。
特にゾーンファイターの特徴的な必殺技「流星ミサイルマイト」は今でも語り草となるほど、インパクト絶大な必殺技です。両腕に付けられたリボルバーやガトリング砲を思わせる銃口から発射される実弾武器。巨大ヒーローといえば「光線技」という当時の常識を打ち破った必殺技でした。
もともとは予算の関係で光学合成を減らすために考案された、火薬による必殺技だそうです。しかし、そのアイデアがゾーンファイターに強烈な個性を与えました。そのインパクトから、後にアニメ作品などでもオマージュされたことが何度かあります。
この他にも本作の特徴のひとつに、敵である侵略宇宙人のガロガバラン星人が繰り出す「恐獣ミサイル」がありました。
本作では従来の怪獣と同じポジションで、ガロガの侵略用の先兵である「恐獣」が登場します。この恐獣は前述の恐獣ミサイルに搭載され、宇宙にある秘密基地から発射されると、大気圏内に突入したところで姿を現してパラシュートで目的地に降下しました。怪獣の登場シーンとしては珍しいフォーマットで、軍隊のパラシュート部隊を思わせるリアルさで説得力のあった演出です。
こういった特撮ヒーローとして独特の魅力があった本作の「目玉」のひとつとなったのが、約1か月に一度ほどあった怪獣王ゴジラの活躍でした。