『プロメア』前知識なしの楽しみ方。面白さは「熱さの対比」にあり?
映画『プロメア』は、白熱するアクションシーンやメインキャラの舌戦に加え、強烈すぎる必殺技「滅殺開墾ビーム」がトレンド入りするなど話題となっています。バトルシーン、主義主張の対比の面白さに注目しながら、前知識なしの楽しみ方を紹介します。
燃やす側と消す側の対立、でも「無益な殺生をしない」
2019年5月24日から全国公開されたアニメ映画『プロメア』は、強烈すぎる作中の必殺技「滅殺開墾ビーム」がTwitterトレンド入りするなど、話題となっています。同作品は『天元突破グレンラガン』や『キルラキル』などを手がけたTRIGGER制作の劇場アニメで、「ぴあ映画初日満足度ランキング」1位を獲得しました。
同作の舞台は、炎を操る人種「バーニッシュ」の出現をきっかけに「世界大炎上」が起こり、世界の半分が消失しています。それから30年、バーニッシュのなかでも一部の攻撃的なバーニッシュが「マッドバーニッシュ」を名乗り、対バーニッシュ用高機動救命消防隊「バーニングレスキュー」とぶつかり合うというのが、ストーリーの軸になります。
まず目につくのがポップな色調。炎を操るバーニッシュと火消しの話ですが、単純な赤と青は使われていません。およそ炎らしくない色で炎を演出しています。でも映画を見ると、それが炎だというのはよくわかるようになっています。
そしてバーニッシュとバーニングレスキューのやりとり。「燃やす側」と「消す側」、両者の信条、信念、野望がぶつかり合うとても熱いシーンです。バーニッシュはカラフルな炎を使って燃やすのに対し、バーニングレスキューは水と氷を使うという対比も、視覚を刺激します。
ここで大事なのは、両者とも無益な殺生をしないところ。攻撃的とはいうものの、人を直接傷つけたり、殺したりということはしません。レスキュー側は救命消防隊なので、まずは火消しと人命救助が最優先です。
両者がそれぞれ求めるのは、マッドバーニッシュ側は目標を放火し逃げること、レスキュー側は火を消しマッドバーニッシュを非殺傷で捕らえることとなります。もちろん、画面狭しと大暴れする彼らの高機動アクションは映画の見どころのひとつです。