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ロリコンブームの火付け役?『ルパン カリ城』クラリス人気の熱狂ぶり…宮崎駿監督「僕には無関係のこと」

国民的アニメ映画監督、宮崎駿の映画初監督作品として知られる『ルパン三世 カリオストロの城』。今では名画として多くの人に親しまれていますが、公開当時は少女を愛好する「ロリコン」ブームを引き起こした作品としても知られていました。

「ロリコン」を多くの人に知らしめたルパンのセリフ

『ルパン三世 カリオストロの城 』原作:モンキー・パンチ (C)TMS
『ルパン三世 カリオストロの城 』原作:モンキー・パンチ (C)TMS

 映画『ルパン三世 カリオストロの城』は、宮崎駿監督による初の劇場映画として知られています。宮崎ファン、『ルパン三世』ファンのみならず、多くの人に愛されている名画と言っても過言ではないでしょう。

 後に続くスタジオジブリの宮崎作品の出発点としても知られる本作ですが、副産物としてもうひとつのブームを巻き起こしていました。それが「ロリコン」ブームです。「妬かない、妬かない、ロリコン伯爵!」というルパンのセリフで「ロリコン」というものを認識した人も多かったと思います。

『カリオストロの城』が公開されたのは79年12月のこと。公開当時、思ったほどの興行成績を上げられませんでした。しかし、テレビ放送や小規模な上映会などが繰り返されるうちに、徐々にカルトムービー的な人気を集めていきます。作品の出来が良いこともさることながら、人気を集めたのが清楚な美少女ヒロインのクラリスでした。

 それまでにも同人誌や写真集などを中心に「ロリコン」ブームの下地は進行していました。ベストセラーになった少女ヌード写真集『LITTLE PRETENDERS』が発行されたのが79年1月、吾妻ひでおらが参加したロリコンマンガ同人誌『シベール』の刊行が始まったのが79年4月です。しかし、まだロリコンはマイナーな存在でした。

 その後、『カリオストロの城』が公開され、クラリスが人気を博していきます。クラリスをテーマにした同人誌『クラリスMAGAZINE』が刊行されたのが80年9月のこと。

 81年3月、アニメ専門誌『アニメック』が20ページを超える大特集「“ろ”は、ロリータの“ろ”」を組みます。クラリスをはじめとした美少女キャラクターの紹介や、それまでのロリコンに関するトピックを網羅的に集めた特集でした。編集したのは後に角川書店で社長を務めた井上伸一郎氏(現KADOKAWA上級顧問・エグゼクティブフェロー)。井上氏は「『正しいロリコンとはこういうものだ』ということを啓蒙したい」という思いを持っていたそうです(Gigazine 2022年12月13日)。

 さまざまなロリコンに関する記事がラインナップされた特集の中で、5分の1をクラリスに関する記事が占めています。それだけクラリスの存在感が大きかったということでしょう。なお、表紙は『カリオストロの城』の「妬かない、妬かない、ロリコン伯爵!」とルパンが言うカットをそのまま使っていました。

【画像】「ロリコン」ブームの主役だった美少女ヒロインたち

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