ファミコン『スーパーマリオ』は元々「256ワールド」あった? 禁断の裏技の真相
ファミコンの『スーパーマリオブラザーズ』は本来ワールド8-4で終わるはずが、ネットでは256まで存在すると言われており、それは事実のようです。これはどういうことでしょう? もちろん任天堂が隠していたわけではありません。
総ワールド数が「256」といわれる理由とは?
1985年に任天堂から発売された『スーパーマリオブラザーズ』は、ファミコンで最も売れたソフトとして絶大な人気を集めていました。それだけ多くの人がプレイしたゲームなので、いわゆる裏技やバグ技といったものは多数報告されているのですが、なかでも衝撃的だったのが「256ワールド」などと呼ばれるバグ技でした。
『スーパーマリオ』は、ワールド1-1からスタートし、1-4をクリアすると2-1に進む……という流れになっていて、最終面はワールド8-4です。ところが9-1に進んだとか、変な絵文字で表されるワールドに進んだといった報告があいつぎました。
そして現在では、本作には正規の8ワールドを含めて全部で256ワールドあるということがわかり、ネットでは「256W」などと表記されています。しかし、これはカセットのなかに256ワールド分のデータが隠されていたということではありません。
みなさん「水道管ゲーム」はご存じですか? 直線や十字、曲線などの汎用的な水道管の絵が描かれたカードを四方につなげていくゲームです。『スーパーマリオ』のワールドとは、開発者があらかじめこのカードを並べて作ったものだと考えるとわかりやすいでしょう。プレイ中、似たような部分があるのはそのためです。
例えば「ワールド1-1」は「カードNo.95」から始まり、次に「No.43」、「No.43」は地下への分岐があり、右には「No.14」下には「No.33」が続く……という具合にカードを並べ、「この1セットをワールド1-1とする」などと決めるわけです。こうすることで、カードを組み替えて多彩なワールドを作ることができ、容量削減にひと役買ったようです。
開発者はこのセットを8-4までしか用意していませんでしたが、バグ技を使うことで「正しくない数字をカードNoだと勘違いしてしまう現象」を引き起こすことができました。データというものは全て数字ですから、勘違いのパターンも無数に生まれます。『スーパーマリオ』の場合、仕様の制約でそれが256個だったということなのです。
では、それを引き起こす「バグ技」とはどういうものだったのでしょう?
有名な方法は『テニス』(1984年、任天堂)を使うことでしょう。やり方は割愛しますが、この技のポイントは「電源を切らずにカセットを入れ替える」点です(実際にやるとファミコン本体やカセットが破損する恐れがあります)。