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「バカ映画の巨匠」河崎実監督が語る、新時代の映画づくりと特撮漬けの30年

オリジナルビデオの先駆作『地球防衛少女イコちゃん』(1987年)で商業デビューを飾った河崎実監督は、その後も筒井康隆原作の『日本以外全部沈没』(2006年)や壇蜜主演のSFコメディ『地球防衛未亡人』(14年)などのヒット作を放ってきました。常識にとらわれない河崎監督の映画づくりを振り返ってもらいました。

新作映画の「主役」を買ったファン

インタビューに応える、河崎実監督(2019年6月、マグミクス編集部撮影)
インタビューに応える、河崎実監督(2019年6月、マグミクス編集部撮影)

 自身も出演する特撮ヒーロー『電エース』シリーズをはじめ、『いかレスラー』『日本以外全部沈没』『ズラ刑事』『地球防衛未亡人』などの作品を世に送り出し、「バカ映画の巨匠」を名乗る河崎実監督。特撮漬けの30年と、常識にとらわれない映画づくりについて、お話を聞きました。

——『電エース』30周年を記念した著書『バカ映画一直線! 河崎実監督のすばらしき世界』が徳間書店から発売されました。

河崎実(以下、敬称略) 実のところを話すと、僕のファンのなかに徳間書店の編集者と知り合いがいて、その方が熱心に売り込んでくれたんです。そうでもしないと、今どき本なんか出せません。僕の顔写真だけじゃ売れないので、表紙カバーには僕の映画に出てくれた斎藤工、壇蜜、純烈らの写真をあざとく載せています(笑)。

——ファンが出版社に売り込んでくれた! ファンってありがたいですね。

河崎 本当にありがたい。僕がこれまで映画を撮り続けてこられたのは、すべてファンのおかげです。最近だと日本橋三越のお正月の福袋で「486万円で河崎実監督があなたを主演に特撮SF映画を撮る」という企画を募集したところ、本当に「撮ってほしい」という人が現われて驚きました。

 製作費300万円の『カメラを止めるな!』(2018年)が大ヒットしたでしょ。それで考えた企画なんです。希望者が2名いたので厳正な抽選の結果、河崎作品のファンだという元女性自衛官が権利を手に入れました。その方の主演作品として今年7月に撮影することが決まっています。すごい時代になりました(笑)。

——出演者が出資するワークショップスタイルの『カメ止め』が31億円の大ヒットを記録したことで、新しい映画ビジネスが誕生しつつあるんですね。

河崎 『電エース』シリーズは、すでに5年前からクラウドファンディングでファンから製作費を募って撮っています。「中国で撮らないか?」という話もあるんです。僕の映画は『いかレスラー』(04年)とか『コアラ課長』(06年)とかキャラクターものが多いので、外国人にも分かりやすくて海外でけっこう売れるんです。

 中国では「ウルトラマンで西遊記をやってほしい」と頼まれたこともあります。今、中国はお金がありますから。ウルトラマンはすでにパブリックドメイン扱いなので、できないことはないんですが、海外で仕事をすると気苦労も多いので、国内でゆる〜くやっていたほうがいいかなぁとも思っているんです。電エースが上海タワーを手にして戦うシーンは撮ってみたいけど(笑)。

【画像】元ムエタイ世界王者が変身する!暴れる! 特撮『電エースキック』

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