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富野由悠季監督のSF大作『イデオン』が残した、トラウマ級の伝説とは

『機動戦士ガンダム』と並ぶ、富野由悠季監督の代表作『伝説巨神イデオン』は非常にハードな内容でありながら、ずっと記憶に残るSFアニメでした。ポップカルチャーの歴史の中でマイルストーン的な存在となった重要作品として、同作品を紹介します。

『ガンダム』打ち切り3か月後に放送開始

『伝説巨神イデオン』 (C)サンライズ
『伝説巨神イデオン』 (C)サンライズ

 2019年は『機動戦士ガンダム』40周年を迎え、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星』(NHK総合)が日曜深夜にオンエア中です。また、6月27日(木)深夜に放送予定の『夜の巷を徘徊する』(テレビ朝日)でも、マツコ・デラックスさんが『機動戦士ガンダム』の富野由悠季監督を訪問する内容が話題になり、注目を集めています。

 富野由悠季監督の代表作が『機動戦士ガンダム』であることは疑いようもありませんが、もうひとつの代表作として挙げられるのが『伝説巨神イデオン』です。『ガンダム』を凌駕する壮大な物語スケールや深遠なテーマを持ちながら、大ヒットには至りませんでしたが、『イデオン』はアニメ界に多くの伝説を残しているのです。

『伝説巨神イデオン』は1980年5月から1981年1月まで放送された、原作なしのオリジナル作品です。富野監督の前作『機動戦士ガンダム』は80年1月に打ち切られており、そのわずか3か月後にスタートしています。

 当時、『機動戦士ガンダム』は低視聴率から打ち切られたものの、リアルな人間ドラマをアニメで描くことに手応えを感じた富野監督は、『ガンダム』を上回る作品をつくろうという意気込みで『イデオン』に挑みました。

 ところが、メインキャラクターである巨大ロボット・イデオンのデザインがひどくチープであり、人物キャラクターのデザインを務めた湖川友謙のアダルトな感性、そして、異星人バッフクランと戦う主人公ユウキ・コスモたちが人類側からも疫病神扱いされて宇宙を流浪しつづける……という暗いストーリー展開に、若い視聴者はついていけずに脱落していきます。
 
 富野監督は『ガンダム』に続いて、『イデオン』も途中打ち切りの憂き目に遭うのですが、『イデオン』をめぐる本当の伝説はここから始まります。

【画像】心をえぐる驚愕の結末! 『イデオン』伝説の劇場版(5枚)

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