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市場では「衰退」といわれる「18禁ゲーム」 実は主戦場が変化していた?

2002年度には1050万本が販売された18禁ゲームは、2021年度ではパッケージとダウンロードを合わせても600万本弱へと売り上げを落としています。一説には衰退したといわれている18禁ゲームですが、主戦場は同人へと移行しつつあり、世界規模で莫大な売り上げを叩き出したタイトルも存在しています。

2002年度には1050万本が販売

「Fate」シリーズはゲームだけでなく、アニメなどでも多彩な展開がなされている。画像は「Fate/stay night+hollow ataraxia セット」(TYPE MOON)
「Fate」シリーズはゲームだけでなく、アニメなどでも多彩な展開がなされている。画像は「Fate/stay night+hollow ataraxia セット」(TYPE MOON)

 日本で初めて登場した18禁ゲームは、1981年にハドソンがシャープのパソコンであるMZ-80K・MZ-700用に発売した『野球拳』とされています。それ以来40年以上の間、数多くのタイトルが次々に送り出されており、時に『Fate/stay night』のように、後に多くのシリーズの礎(いしずえ)となった作品も生み出されています。

 しかしながら近年では、18禁ゲームは衰退の傾向にあるともいわれています。それは事実なのでしょうか。

 18禁ゲームの審査を行なっているコンピュータソフトウェア倫理機構によれば、最も多くのパッケージが販売されたのは2002年度の1050万本となります。

 同年に発売されたタイトルで有名なものといえば、Leaf(アクアプラス)の『うたわれるもの』や『腐り姫』、虚淵玄氏がシナリオを担当した『鬼哭街』(ニトロプラス)、超個性派ヒロインのタカさんが登場する『The ガッツ!』、後にシリーズ化され複数回のTVアニメ化も行われた『D.C. ~ダ・カーポ~』、アリスソフトの『妻みぐい』に『超昂天使エスカレイヤ―』など、まさに多士済々の勢いです。

 個人的に振り返っても、この時代が一番盛り上がっていた時期だったと思えます。特にこの時期は日本の人口のボリュームゾーンである団塊ジュニア世代がまだ20代後半~30代前半であり、活力に満ちていた上に社会人として働いているため購買力も高かったことから、活況につながっていた可能性が高いでしょう。

 そこから19年後の2021年度の販売数はパッケージが236万本、PCのダウンロード数が357万本、スマホなどの携帯端末ダウンロード数が4万9778本と、合計で600万本弱となり、本数だけを見れば4割減少した形となります。

 日本人の平均年齢が48歳をこえたことと、日本経済の停滞を考えれば市場の縮小はなんとなく想像できるかもしれませんが、実はここには登場しない数字も存在しています。

 それは、「同人タイトル」です。

【画像】いまも記憶に残る?「18禁ゲーム」の人気作(7枚)

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