最後のセリフが衝撃! 最終回が「斬新」すぎたマンガ 「関係ない歌詞を掲載」
どんなに人気のマンガ作品でも、いずれは終わりを迎えるものです。そんな作品の最終回は、特に注目が集まります。すんなりときれいに最後を迎えた作品がある一方、過去には「終わる終わる詐欺」でなかなか完結を迎えなかったものや、最終回の感想が賛否両論に分かれた人気作品もありました。
最終回が賛否両論に分かれた人気マンガ!
どれだけ人気のマンガでも、いずれは「完結」する時が訪れます。ハッピーエンド、感動のセリフできれいに終わる作品は特に人気です。一方、なかには最後に衝撃のセリフを残した作品や、ある意味「伝説的なラスト」を迎えた人気マンガも存在します。
良くも悪くも斬新な最終回だったのは、『幽☆遊☆白書』(著:冨樫義博)です。不良だった主人公の浦飯幽助が、不慮の事故をきっかけに霊界探偵として妖怪とのバトルを繰り広げる物語で、「週刊少年ジャンプ」で90年代前半に大きな人気を獲得しました。同作は「暗黒式武術会編」や「魔界の扉編」などを経て、「魔界統一トーナメント編」に突入し、終盤に「魔界最強」を決める展開となります。
少年マンガらしい展開で、熱いバトル展開が長く続くと予想されていました。そして、169話で幽助は100名以上が4つに分かれたブロック内の3回戦にて、黄泉と戦うのですが……。続く170話にて、黄泉が幽助に勝ったものの、次の4回戦で孤光に負けていたことが、セリフのみで語られました。幽助が期待された決勝戦まで行くこともなく、物語は終わりへと向かいます。
その後、それぞれのキャラの日常が描かれ、最終話となった175話のラストシーンでは、トーナメント終了後に人間界に戻った幽助と、桑原や蔵馬、飛影ら、おなじみのメンバーが海で過ごす姿が描かれ、人気作は幕を閉じました。魔界統一トーナメントの決勝戦や、期待した人間界でのバトル展開も描かれずに終了したため、「最終局面で、『なんだこりゃ』を味わった」「打ち切り感あるが、いい最終回」「爽やかな終わり方」と、今でも賛否が分かれています。
続いて、『焼きたて!!ジャぱん』(著:橋口たかし)も、最後が衝撃的だった作品です。主人公の東和馬が近所のパン屋との出会いをきっかけに、世界に誇るパン作りに挑戦していく物語でした。『焼きたて!!ジャぱん』の見どころのひとつは、登場人物がパンを食べた後に思いも寄らないリアクションをすることです。作中では、体が動物化したり異世界を創造したりと奇想天外なリアクションで、ファンを楽しませていました。
そして、伝説的なラストになった最終章は、主人公の和馬が地球温暖化を止めるパンを作るエピソードが展開されます。最終話手前の241話では、海面上昇による世界の水没が危惧されるなか、作中で壮大なリアクションを披露してきた河内恭介が、和馬の作ったパンを食べて、なんと『ストリートファイター』に登場する「ダルシム」の姿に変わるのです。
いきなりダルシムになった河内は、「世界中の陸地を浮き上がらせ」て水没から救いました。その後、和馬は世界を救うパンを作ったことで国民栄誉賞を受賞し、ノーベル平和賞にもノミネートされ、迎えたラストは、ダルシムになってパン職人をやめていた河内が「なんやて!?」と叫ぶ1コマで終了します。
突然、河内が「ダルシム化」し終了という最終回に関して、ネットでは「予想以上に斬新すぎて面白かった」「最終回で『焼きたて!!ジャぱん』に勝てるマンガなんてあるわけないだろ」「26巻もかけて凄いラスト」などと、今も「伝説」として語り継がれています。
同じくやりたい放題な作風で人気だった『銀魂』は、「終わる終わる詐欺」の代表格とも言われている作品であり、2016年に最終章へ突入してから完結まで3年もかかりました。1回目の最終回は「週刊少年ジャンプ」2018年42号に掲載されたもので、これが『銀魂』の終わりの始まりです。途中までシリアスな最終回だったのですが、いきなり『テニスの王子様』作者の許斐剛先生の曲「テニプリっていいな」の歌詞が掲載され、「ページが足りない」ことを白状、主人公・坂田銀時が「俺たちの戦いはジャンプGIGAからだァァ!!」と叫んで終わりました。
そして、本誌から「少年ジャンプGIGA」に連載を移した『銀魂』は、2019年2月に同雑誌で最終回が掲載されますが、ここでもまだ完結しません。続きは「銀魂公式アプリ」で配信がスタートし、2019年6月に配信された第七百四訓「天然パーマにロクな奴はいない」でようやく最後を迎えました。
「本当の本当の最終回」の内容自体は、『銀魂』らしさもありつつ、爽やかで感動的な結末です。「『終わる終わる詐欺』で笑わせつつ、最後は泣かせるのズルい」「『銀魂』にだけ許された完結法」「普通にジャンプ本誌で終わるより記憶に残る」と、今でも話題になっています。
(LUIS FIELD)