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帰り道が特に怖かった? 80年代、小学生が『ドラクエ』をゲットするまでの冒険

皆さんは『ドラクエ』を、初めて手にしたときのことを憶えていますか? 現在では、ネット通販やダウンロードで家に居ながら購入できますが、筆者が幼い頃に住んでいた東北の片田舎では、おもちゃ店へ出向き、購入したものでした。今回は、そんな『ドラクエ』シリーズを初めて手にしたときの苦労や、感動を思い出したいと思います。

『ドラクエ』は手に入れるまでにもストーリーが!?

『II』を手に入れたいかがわしいディスカウントショップ。家電も置いてあり、正月には5円でテレビを売っていた。『ドラゴンクエストII』(画像は同作のAndroidアプリ版) (C)1987, 2014 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved
『II』を手に入れたいかがわしいディスカウントショップ。家電も置いてあり、正月には5円でテレビを売っていた。『ドラゴンクエストII』(画像は同作のAndroidアプリ版) (C)1987, 2014 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved

 皆さんは『ドラクエ』のソフトを初めて手にしたときのことを憶えていますか? 現在のようにダウンロード購入などができない初期作品は、店舗で購入しなければなりませんでした。ゆえに当時は、筆者の住んでいた東北の片田舎のような地域では購入までに苦労があり、手にしたときの大きな感動があったのです。そこで今回は、『ドラクエ』シリーズの、個人的なファーストコンタクトを思い出したいと思います。

●ソフトを求めて国道を何度も越える冒険『ドラクエII』のファーストコンタクト

「RPG」という、プレイヤーを焦らせないゲーム性に衝撃を受けた無印『ドラゴンクエスト』を、当時小学生の筆者は最初は友達の家で遊び、後に購入し兄弟で夢中になっていた数か月後、『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』が発売(1987年1月26日)されました。もちろん、発売日に手に入れたいと思いましたが、どこのおもちゃ店でも売り切れ。当時は予約というシステムに馴染みはなく、店頭に置いてあれば買えるという状況だったのです。

 毎日のおもちゃ店巡りでは買えないことを悟った筆者は、とあるいかがわしいディスカウントショップへも足を伸ばすことにしました。このショップに行くには自転車で国道を渡るしか手段がなく、当然親には禁じられていましたが、『ドラクエ』欲には勝てず、一大決心をします。

 小学校低学年の私にとってまさに大冒険で、国道を越えショップへ漕ぎだしました。そのショップのファミコンソフト売り場には、おびただしい本数のソフトがディスプレイされていましたが、目的の『ドラクエII』はなく、引っ込み思案だった私は「いつ入荷するのか?」を聞くこともできず、何度も訪れることになります。

 そして数週間後、「今日もないだろうな……」と思いながら国道を越え、お店を訪問しディスプレイを眺めると、見慣れないけど雑誌で見知った青いパッケージが。「あった……」。子供ながらに信じられず何回も確認しましたが、やはり『ドラクエII』です。

 緊張と感動で声を震わせ、店員にソフト購入を告げたのを憶えています。高価な宝物を手に入れた私は、自転車のカゴにソフトを入れては壊れてしまうと、リュックに大事にしまい、数十分後に始まるTV画面のなかの冒険を思い描き、国道を通って家へ戻りました。

【画像】『ドラクエII』の敵!…ではない? 1987年発売の「芸能人の珍ゲーム」(5枚)

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