破滅に向かっていったガンダムの宇宙世紀 「その後」が見られる作品は?
複数のガンダムシリーズ作品で描かれてきた「宇宙世紀」は、その後ある時点で破滅したとされています。何が起こったのかについては、「宇宙世紀」後の作品である『∀ガンダム』及び『Gのレコンギスタ』である程度、解説されています。
「滅びた」とされる宇宙世紀 詳細はどうだったのか?

「機動戦士ガンダム」シリーズで描かれた新たな時代が「宇宙世紀」です。宇宙への移民が開始された年を初年度とする宇宙世紀(以下、U.C.)は、U.C.0040年には宇宙への移民が人類の40%である50億人を突破し、U.C.0050年には90億人になるなど、猛烈な勢いで進められました。
やがて宇宙に住む人類は自治権を求めるようになり「ジオニズム」が提唱され、ザビ家が台頭。スペースコロニー群「サイド3」は地球連邦政府に対し独立戦争を仕掛け、全人類の半数が死亡する大惨事を迎えたのです。
UC.0080年1月1日、後に「1年戦争」と呼ばれた戦いは終戦を迎えましたが、その後も戦火が止むことはありませんでした。現状、宇宙世紀として描かれた作品で最も後の時代とされているのはU.C.0153年が舞台となった『機動戦士Vガンダム』となっていますが、さらにふたつTVアニメ作品が『Vガンダム』の後の時代を舞台としています。
それが『∀(ターンエー)ガンダム』と『Gのレコンギスタ』。ともに富野由悠季監督が手掛けた作品です。
まず『∀ガンダム』に関しては、序盤の時点で禁断の地「マウンテンサイクル」からザクにそっくりな「ボルジャーノン」や、カプールそっくりな「カプル」などのモビルスーツが発掘され、宇宙世紀の後の世界であることが暗示されました。
物語終盤で地球の過去が「黒歴史」として示されるシーンでは、人類の最終戦争において∀ガンダムが触れるものすべてを消滅させる「月光蝶」システムを発動し、地球圏の文明を葬り去ったことが明かされています。このシーンではガンダムシリーズの映像も流されるなど、明確に宇宙世紀の後の世界であるという描写もされました。
結果、地球に住み続ける決断を下した人間は大きく後退した文化・文明レベルの生活を余儀なくされ、月へ移住した人間が冷凍睡眠を繰り返しながら地球環境の回復を待つことになったのです。
後に明かされた『∀ガンダム』の時代は、宇宙世紀の約1万年後とされています。宇宙世紀は「太古」の時代として扱われていたのです。