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『エヴァ』庵野秀明監督も参加、80年代OVA『メガゾーン23』の錚々たる制作陣

1980年代にリリースされヒットを記録したOVA作品『メガゾーン23』。「メカと美少女」、革新的な世界観と緻密なストーリーで、多くのアニメファンを虜(とりこ)にしました。本作品を制作したのは、数々の名作を生み出してきた錚々たるクリエイター陣たちです。彼らの才能と情熱が織りなす『メガゾーン23』を紹介します。

『エヴァ』庵野秀明監督も関わっていた!

『超時空要塞マクロス』制作スタッフが手掛けた近未来SFアニメーション「メガゾーン23 Blu-ray」(ビデオメーカー)
『超時空要塞マクロス』制作スタッフが手掛けた近未来SFアニメーション「メガゾーン23 Blu-ray」(ビデオメーカー)

『メガゾーン23』は1985年にリリースされたOVA(オリジナルビデオアニメ)作品です。黎明期にあったOVAの金字塔として、1985年度のビデオ売上が第2位になるほど大ヒットを飛ばしました。後のアニメ界にも多大な影響を与えた本作は、『超時空要塞マクロス』に関わったスタッフによって制作されました。

 作品の舞台は、都市を丸ごと船内に作り上げた巨大宇宙船・メガゾーン23です。都内に住むバイク好きの主人公・矢作省吾は、友人から「ガーランド」というバイクを託されます。ガーランドにはロボットへ変形するという秘密があり、これを知ったことで省吾を取り巻く状況は一変。軍から追われ、やがて省吾は東京に隠された真実の姿と直面することになります。

 さらに本作を彩るのが、「ヴァーチャルアイドル」の原型とも言えるヒロイン「時祭イヴ」の存在です。人気アイドルとしてたびたびテレビに出演しているイヴですが、実は都市の中枢をコントロールする巨大コンピュータが作り出した虚像だと判明するのです。イヴを中心に、戦いや恋愛模様が織りなされた物語が展開されていきます。

 主な制作スタッフとして、『鉄腕アトム』、『巨人の星』に携わった後に『宇宙戦艦ヤマト』でアニメーションディレクターを務めた石黒昇さんや、『伝説巨神イデオン』のアクション作画で名を轟かせた板野一郎さんが挙げられます。 石黒さんは『メガゾーン23』のPart Iでは原作・監督に尽力し、Part IIでは原作を担当しました。板野さんはPartIIで監督、Part Iでも演出などを務めています。

 板野さんの代表的な作画表現に「板野サーカス」と呼ばれるものがあります。これは無数のミサイルが画面中を飛び回り、実際にカメラが追尾するよう遅れたりブレたりするダイナミックかつ大胆な表現で、後世のアニメーターにも大きな影響を与えました。

 そんな板野さんが「板野サーカス」の使い手と認めるひとりであり、『新世紀エヴァンゲリオン』の監督で知られる庵野秀明監督も本作の作画スタッフとして参加しています。さらに『超時空要塞マクロス』で不動の地位を築いた平野俊弘さんや美樹本晴彦さんら名だたるクリエイターによって『メガゾーン23』が作られました。

 ちなみに1作目の主人公・矢作省吾の声は久保田雅人さんが担当しており、久保田さんはNHK教育テレビ『つくってあそぼ』と『つくってワクワク』に登場する工作が得意なおじさん「ワクワクさん」としても有名です。

【画像】豪華!『メガゾーン23』の制作陣が関わった作品を見る(5枚)

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