人気絶頂期に幕を閉じた「ジャンプ」作品 衝撃の最終回に「せめてもう一話!」
「最終回」はマンガファンにとって切なさを感じさせる言葉です。なかには人気絶頂のなかで突然幕を閉じてしまう作品もあり、ファンの間で衝撃が走ったことも少なくありません。賛否を呼んだ「週刊少年ジャンプ」の最終回への反応とは?
終わり方に賛否が分かれた作品は?
最近でいえば『鬼滅の刃』(著:吾峠呼世晴/集英社)はアニメ化・映画化された作品が絶好調でありながら原作が幕を閉じ、大きな反響が巻き起こりました。「共感できる終わり方」「感動した」などの肯定的な声があれば、「こんなひどい終わり方は珍しい」などと否定的なコメントも見られました。
『鬼滅の刃』以外にも「なぜ今終わるの!?」と思わず声に出してしまうほど、人気絶頂期のなかで終わりを迎えるマンガは数多くあります。では、ジャンプ人気マンガで終幕をめぐり賛否が巻き起こった作品には、どんなものがあるのでしょうか?
※この記事では、まだアニメ化されていないシーンの記載があります。原作マンガを未読の方はご注意ください。
まず紹介したい作品は、昨年『THE FIRST SLAM DUNK』として映画化され、再び注目が集まっている『SLAM DUNK』(著:井上雄彦/集英社)です。日本のバスケットボール人気に火を付けた作品で、人気絶頂期のなかで原作が終了しました。
原作は、最大の盛り上がりを見せた「山王戦」直後に幕を閉じ、たった4ヶ月の出来事を描いた作品とは思えないほど濃密な内容に仕上がっています。誰もが新体制の湘北高校バスケットボール部で、リハビリを終えた主人公・桜木花道の復帰や活躍が描かれるものと思っていた矢先の衝撃的な最終回でした。
ネット上では「井上先生の意向説」や「版権説」などがささやかれていますが、本当の終了理由は発表されていません。読者からは「大人の事情で終わったのか?」「あれだけ全国制覇を目標に掲げていたのに、なぜ?」と終わり方に疑問を感じている人が続出しました。
反対に「最高の終わり方」「余韻が残って素敵な最後」「いい幕引きだった」などの肯定的な意見も多いです。なかには「第1部完だから、まだ終わってない」と主張する声もあり、読者の間では意見が分かれる結果となりました。
続いて紹介する作品は、漫画家を主人公にした異色のマンガ『バクマン。』(原作・大場つぐみ、作画・小畑健/集英社)です。TVアニメで第3期まで制作されるなか、原作が最終回を迎えてしまいます。
『バクマン。』は主人公・真城最高(ましろ・もりたか)と高木秋人(たかぎ・あきと)がジャンプ漫画家として「1番」を夢見る物語です。マンガ界の業界用語や、「週刊少年ジャンプ」に実際に連載された作品名が登場するなど、漫画家たちの「リアル」が描かれ、話題を集めました。
最終回では、ふたりが「週刊少年ジャンプ」で人気1位を取り、婚約を果たしたところで終了します。ハッピーエンドではありますが、「せめてもう1話欲しかった」「最高に盛り上がっているところで終わってしまった……」などともう少し見たかったという意見が多く見られました。反対に、「清々しい終わり方」「終わり方の美学の究極」と終わり方に好感を持つ読者も少なくありません。