驚愕!実写化で「性転換」したキャラ 「別物としてアリ」「意外な人気獲得」
マンガの実写化作品において、さまざまな事情からキャラクター設定が「改変」されることは珍しくありません。キャラクターによっては性別や名前が変わっており、原型を留めていないなんてことも……?
大人の事情で女性に変更?
マンガの実写化は、原作が人気であればあるほど「あのキャラクターを3次元に再現できるわけがない」「推しの再現率が低かったら嫌だ」と、厳しい意見も生じる傾向にあります。
それでも制作側は少しでもビジュアルが近いキャスティングをし、メイクや衣装を再現する形でなんとかキャラクターの造形に近づけようとしていますが、それでも完全再現は難しいといえます。そして、さまざまな事情から思い切って、キャラクターの性別が変えられているパターンも少なくありません。
●まさかのヒロインポジションに!『カイジ 人生逆転ゲーム』遠藤勇次
ギャンブルマンガの金字塔「カイジ」シリーズ(作:福本伸行)は、3作に渡って実写映画が制作されています。原作マンガはほぼ男性キャラクターしか出てこないも特徴のひとつですが、実写映画では、主人公・カイジをギャンブルの世界に招き入れるキャラ・遠藤勇次が、女性の遠藤凛子へと変更されました。
原作マンガでの遠藤勇次は、債務者となったカイジを口車に乗せて、ギャンブル船「エスポワール」へと送り込むキャラです。一方で、実写映画での遠藤凛子は、終盤の「Eカード」で軍資金を使い果たしたカイジに利子付きとはいえ5000万円を貸し付けてくれるほか、最終作『カイジ ファイナルゲーム』ではゲームに勝つ重要なヒントを与えてくれるなど、カイジをサポートする役割となっています。原作の遠藤もカイジと共闘したことはありますが、より「仲間」としての側面が強まっていました。とはいえ、最終的にカイジから金を持ち逃げする手口は原作よりも酷いと言えます。
遠藤凛子を演じた天海祐希さんは男性中心のキャストの中でも圧倒的な存在感を見せており、怒鳴ったりテーブルを蹴飛ばしたりするシーンでも、気品あふれる印象を与えていたのは天海さんだからこそといえるでしょう。実際に「美しくて見惚れた」「男臭い作品になるところだったから、逆に良かったかも」「原作より遠藤の立場偉くなってるから、天海さんは合ってる」と好意的な意見も見られます。
●ラーメンハゲが女性に?『らーめん才遊記』芹沢達也
リアルなセリフや描写を交えながら、ラーメン店を経営するうえでの課題やラーメン店同士の対決を描いたマンガ「ラーメン発見伝」シリーズ(原作:久部緑郎、作画:河合単)は、人気キャラクター・芹沢達也の存在がSNSを中心に広く知られています。
「いいものなら売れるなどというナイーヴな考え方は捨てろ」「お客様は神様などではありません」と、固定概念をバッサリ切り捨てる名言を数多く残す芹沢は、髪の毛がラーメンに入らないようスキンヘッドにしているビジュアルから「ラーメンハゲ」と呼ばれているキャラクターです。
そんな芹沢は、2020年4月に放送された実写ドラマ『行列の女神~らーめん才遊記~』で、鈴木京香さん演じる女性キャラ・芹沢達美に改変されています。当然ながらスキンヘッドではなく、苦戦しているラーメン店を繁盛店に導いていく凄腕の女性フード・コンサルタントのキャラクターだったため、「芹沢さんはハゲだからいいのに」「全然別物では?」「女性化してもいいけど、スキンヘッド設定は守って欲しい」と戸惑うファンも見られました。
その一方で、「芹沢さん本人は合理的に『実写版で自分が女性になるのはヒットのために必要』認めそう」「逆に男性のままだったら変な「恋愛要素」が入りそうだから、女性で良かったかも」という意見もあります。
芹沢はラーメンへのこだわりが強過ぎるあまり、怖い顔でストイック過ぎる発言をするシーンも多々見受けられます。それでも読者から嫌われないのは、他人を貶めるような卑劣な行動をせず、ラーメンに真摯に向き合っているからでしょう。そんな芹沢を、女性が演じることでまた別の魅力が生まれたのかもしれません。