【漫画】「いじめを注意されないのですか?」転校生のひと言で教室はいっきに凍り付き?
クラスでいじめを受けていた小川さん。ある日、転校生の山田さんが転入してきます。転校初日にいじめを見て見ぬふりをする担任の先生に対し「なぜいじめを注意されないのですか?」と発言したことをきっかけに、ターゲットが山田さんになってしまい……。作者のヤマモトヨウコさんにお話を聞きました。
転校生の驚くべき「秘密」とは
クラスでいじめを受けていた小川さん。謎の転校生・山田さんの発言をきっかけに、ターゲットが転校生に……。エスカレートするいじめの果てに、山田さんが“ある驚くべき秘密”を明かします。ヤマモトヨウコさん(@YY0905)による創作マンガ『いじめは簡単。正当化するエサさえやれば、群がってくる。』がTwitter上で公開されました。
読者からは「ボロボロ泣いてる」「学校は、狭い世界。娘に知って欲しい」と感動の声が相次いでいます。今作は『時給1万円の教室(セカイ)』というタイトルで、2021年にマンガ投稿サイト「ジャンプルーキー!』で編集部期待賞も受賞した作品です。
作者のヤマモトヨウコさんにお話を聞きました。
ーーヤマモトヨウコさんがマンガを描き始めたきっかけを教えて下さい。
子供の頃から絵を描くのが大好きでした。その延長で、小学校高学年くらいから友達と鉛筆でマンガを描き始めました。中学からは、部活の方が忙しくなり、本格的にマンガを描き始めたのは大学生になってからです。
ーー今回の作品『いじめは簡単。正当化するエサさえやれば、群がってくる。」では、「新いじめ防止対策推進法」が確立された世の中が題材となっています。この斬新な設定にしようと思ったきっかけや、伝えたい思いはありますか?
「いじめをなくす」「いじめゼロ」という言葉に昔から違和感がありました。人間は時として弱くみにくい生き物だから「いじめは起こる」という前提で、動くべきではないのかな……と。そこから、マンガの設定を考えていきました。
ーーたくさんの感想が寄せられていますが、特にうれしかった感想の声、印象に残った読者の声について、教えて下さい。
たくさんのご感想をいただけて、大変うれしかったです。ありがとうございます! 特に「子供にも読ませたい」「昔の自分に見せたい」というご感想をいただけたときは、描いて良かったなと思えました。
ーー作中では転校生の山田さんがつむぎだす、数々の名言が非常に印象的です。ヤマモトヨウコさんが特に気に入っている言葉・シーンを教えてください。また、そのシーンを描写する際に特に気をつけたポイントはありますか?
主人公の後半のモノローグ「謝罪なんかいらない」です。いじめが与える心の傷の深さを表現しようとしました。転校生のセリフで言えば「引っ越せば、一生会わない。たかが今だけのモブにいつまで怯えてるの?」です。キツイ言い方ですが、主人公を奮い立たせようとしている転校生なりの優しさに満ちた言葉です。
気を付けたポイントは、なぜ転校生がこのセリフを言うのか、理由を直接話すシーンはなくても、その背景を考えながら描いていきました。描き終えてから、丁寧に描くべきシーンがいくつもあったなと気付きました。今後に生かしていきたいと思います。
ーー自分を人間だと思っている柴犬が主人公の作品『柴ばあと豆柴太』 (講談社) 全3巻が発売中です。「号泣必至」と話題ですが、あらすじと見どころをお願いいたします。
東北の海辺にあるお弁当屋さんが舞台です。元気なワンコ・豆柴太目線で、震災から9年経った街の人びとを4ページマンガとストーリーマンガで描いています。東北の方言や郷土料理が毎話出てくるのも見所です。
ーー今後、Twitterで発表される作品については、どのように活動していきたいとお考えでしょうか?
このマンガを描きたい! と思った衝動と、読んでくださった方との交流を大切に、楽しく描いていきたいと思います。
(マグミクス編集部)