『ガンダム』随一の苦労人、ブライト・ノア 殴られ、戦い、主人公を導いた先にあるものは?
『機動戦士ガンダム』に登場したブライト・ノアはガンダムシリーズに登場したキャラクターの中でも屈指の苦労人です。多くの激戦を潜り抜け、人類の革新たるニュータイプとの絆を育んだブライトですが、彼の人生は苦難に満ちていました。果たしてブライトに救いはあるのでしょうか?
ガンダムシリーズの苦労人
『機動戦士ガンダム』から登場し、その後のガンダムシリーズ作にも登場しているキャラクターのなかで、ブライト・ノアは屈指の苦労人です。
『機動戦士ガンダム』では地球連邦軍の士官候補生として乗り込んだホワイトベースがシャア・アズナブル率いるジオン軍の攻撃を受け、艦長のパオロ・カシアス中佐が負傷、後に死亡したため、19歳の若さで2代目艦長に就任することになります。
このときのブライトはまだ軍歴6カ月で、しかも宇宙に出るのは初めての状態でした。先輩士官は誰もおらず、頼りになるのはリュウ・ホセイらわずかな軍人たちくらい。大量の避難民を抱え、シャアに追われ、素人たちのなかから有能そうな人間を見つけて急場をしのぎ続けましたが、ようやくたどり着いたルナツーでは「機密兵器の無断使用」という理由で拘禁されるなど、物語序盤から苦難の連続でした。
そんなブライトと切っても切り離せないのが、主人公のアムロ・レイです。最初のころは余裕のないブライトと慣れない戦闘に苦心しているアムロとの間で感情的な対立が何度も起こり、アムロが脱走する事態も招きました。しかしブライトはアムロを当初から頼りにしており、「シャアを超えるパイロット」とも認めていたのもまた事実です。
リュウの死後はブライトも周囲に気を遣うようになり、アムロの精神的な成長もあって衝突も減っています。最終的には互いの存在を認め合い、一年戦争を戦い抜きました。滅茶苦茶な状況に放り込まれ、やり場のない苛立ちや怒りをぶつけあっていた人間同士でも、ともに戦うなかで成長し、関係が良好になる。現実でもこのようなことはあるのではないでしょうか。(逆の結果になる可能性も否定できませんが)。
続編となる『機動戦士Zガンダム』でも、ブライトの苦労は続きます。ミライ・ヤシマと結婚し、ハサウェイとチェーミンのふたりの子宝に恵まれたものの、ニュータイプを恐れる連邦軍上層部の意向で連絡船テンプテーションの船長へと左遷されてしまったのです。
一般人からの人気はありますが、ティターンズの一部からは反感を持たれており、暴行を受ける場面もありました。いらない苦労を押し付けられているという印象を視聴者に強く抱かせました。