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【夏アニメ】変わらぬ魅力と変わる解釈? 新しい『聖闘士星矢』が描く「現代」要素

 1985年に『週刊少年ジャンプ』にて連載され、3500万部を超える発行部数を誇る超人気作『聖闘士星矢』がNetflixにてオリジナル3DCGアニメとなって復活しました。単なる現代風リメイクではなく、新たな設定、新たな表現が盛り込まれている同作品の楽しみ方を、第1話の内容をから解説します。

今度の聖闘士は「戦闘ヘリ」とも闘う?

アニメ『聖闘士星矢:Knights of the Zodiac』 (C) Masami Kurumada / Toei Animation
アニメ『聖闘士星矢:Knights of the Zodiac』 (C) Masami Kurumada / Toei Animation

 Netflixオリジナル3DCGアニメ『聖闘士星矢:Knights of the Zodiac』の配信が2019年7月19日(金)よりスタートしました。1985年から『週刊少年ジャンプ』で連載された『聖闘士星矢』が原作です。シリーズ発行部数は3500万部を超え、日本のみならず世界的に有名な作品で、「聖闘士(セイント)」や「小宇宙(コスモ)」、「ペガサス流星拳」など独特のキーワードとともに広く人気を博しています。

 同作品は、神話の時代より数百年ごとに現れる戦いの女神アテナと、アテナを守護する選ばれし戦士、聖闘士たちの物語です。少年星矢(CV:森田成一)は幼少期、謎の兵士と戦闘ヘリに襲撃され、黄金の鎧をまとった謎の男に助けられます。しかし、その鎧の男は負傷した星矢の姉を連れ去ってしまうのです。

 時は流れ、星矢に不思議な力が宿ります。手が青白く発光すると衝撃波を放ち、車を浮かせたりできるのですが、うまくコントロールはできない様子。突如として誘拐される星矢に、城戸光政と名乗る人物が星矢自身が「聖闘士」であり、星矢の姉は「生きている」と告げられます。

 その時、星矢たちは再び兵士たちの襲撃を受け、城戸光政の娘、城戸沙織(CV:折笠富美子)とボディガードの辰巳(CV:江川央生)とともに逃亡します。

 特筆すべきは、現代を象徴するアイコンが複数登場することです。星矢たちを襲う兵士たちは、特殊部隊の主兵装であるアサルトカービンを装備し、チンピラたちはスマートフォンで動画を撮影、逃亡する星矢たちが乗り込むのはオスプレイであり、追ってくるのは戦闘ヘリなのだから、注目せざるを得ません。

「聖闘士星矢」は過去、数多くの映像作品が生み出されてきましたが、筆者の記憶が正しければ、戦闘ヘリと戦うような描写はなかったはずです。

 映像技術の発展に伴い、過去の名作をより美麗なグラフィックやモーションで見てみたいという欲求は当然のことと思います。しかし、それならリブートではなくリメイクでよいはずです。

 今作『聖闘士星矢:Knights of the Zodiac』も、新たな人間側の敵勢力が描かれていますし、主要キャラのアンドロメダ瞬(CV:佐藤聡美)の性別が男性から女性に変わっています。もちろん、それらの変更点に賛否両論はつきものですが、リブートの重要なファクターであることは間違いありません。

 それらのリブートの際の変更点がどういった意味を持ち、今後のストーリー展開にどのような影響を与えるのか、引き続き注目したいところです。

(二木知宏)

【画像】新時代に物語をつなぐ、星矢とアテナ、神々たち(7枚)

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