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韓国の「怪獣映画」とは? 強烈描写とB級感あふれる「すさまじい」世界

『ヨングと恐竜チュチュ』シム・ヒョンレ監督のすさまじい世界

赤ちゃん恐竜チュチュのお母さん恐竜が暴れまわる、『ヨングと恐竜チュチュ』。シム・ヒョンレ作品
赤ちゃん恐竜チュチュのお母さん恐竜が暴れまわる、『ヨングと恐竜チュチュ』。シム・ヒョンレ作品

『怪獣大決戦ヤンガリー』や『D-WARS』には祖先があります。特に直系の先祖が『ヨングと恐竜チュチュ』(1993年)です。ヨングと言うのはシム・ヒョンレの持ちキャラのおバカな登場人物です。

 作品はシム・ヒョンレ本人の監督作品です。同氏が「ヨングアートムービー」という会社を設立後、初めて監督した作品です。

 恐竜の赤ちゃんチュチュと仲良くなったヨングですが、ヨングとチュチュは盗賊にさらわれてしまいます。それを助けに現れるチュチュのお母さん恐竜。彼女は市街地を襲い、橋も襲います。その描写が、『大怪獣ヨンガリ』へのオマージュとなっており、ヨンガリを観た人にはあっと思わせる画面となっています。
 
 なお、盗賊団はお母さん怪獣の火炎放射に焼かれ溶けて死にます。このシーンも強烈です。『大怪獣ヨンガリ』へのオマージュは橋の破壊シーンなど『怪獣大決戦ヤンガリー』でもあります。

 シム・ヒョンレ監督はB級の特撮が好きなのか、ヒーローものやモンスターものをいくつか作っています。

 モンスターものでは『ヨングと恐竜チュチュ』以外に、例えば『ティラノの爪』(1994年)は原始時代に人間と恐竜が共存しているという設定で、時期的にジュラシックパークの影響を受けているのだろうかと思います(でも恐竜と原始人が頭突き合戦をするシーンや、プテラノドンとの戦いのシーンなど、作品自体はシリアスに作っているのにコメディにしか見えないのです!)。
 
 また『ヨングと宇宙怪物プルガリ』(1994年)では、アンドロメダ星人が送り込んだ宇宙怪獣プルガリとおバカなヨングが戦うというコメディタッチの作品で、プルガリの意外な弱点が「ある食材」というのも、おバカな設定で面白いです。

『ドラゴンツーカ』(1996年)は、なんと時代劇に巨大なドラゴンが登場するという変わり種の作品。ヨングの身体を宇宙人が操ってドラゴンツーカと戦います。

 どれもB級感あふれる作品ですが、それらの要素は『怪獣大決戦ヤンガリー』や『D-WARS』にが受け継がれていることが感じられます。

 このように、1990年代の怪獣映画は韓国で途絶えずに作られ、現在に受け継がれています。今後の韓国怪獣映画も楽しみです。

(かに三匹)

【画像】B級特撮の鬼才、シム・ヒョンレ監督の怪獣映画(5枚)

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