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超危険! カッターで「肉抜き改造」したミニ四駆 子供を狂わせたマシンの思い出

自前のカッターでシャシーの「肉抜き」に挑戦

オードリーの若林さんも大人になり再びハマったそう。「1/32 『ダッシュ1号・皇帝(エンペラー)』」(C)TAMIYA,INC.ALL RIGHTS RESERVED.
オードリーの若林さんも大人になり再びハマったそう。「1/32 『ダッシュ1号・皇帝(エンペラー)』」(C)TAMIYA,INC.ALL RIGHTS RESERVED.

●超危険! カッターでシャシーを「肉抜き」

 よりスピードと継戦を求めた結果、私はプラスチック製のシャシーを切ったり削ったりして軽量化する「肉抜き」と、走行中に電池やモーターの熱を逃がす「空冷式」に挑戦することにしました。本来はハンダゴテを使用するのでしょうが、我が家にはなく、思いついたのは文房具のカッターをライターやコンロで熱し、シャシーを切ったり削ったりするという、今考えると「超危険な行為」だったのです。

 空冷式は、肉抜きしたシャシーやボディに空気を送り込む専用パーツを接着させるというもので、正直、両方とも効果があったかは分かりませんが、子供ながらに危険行為に手を染めたため達成感はありました。

●ミニ四駆の切ない思い出

 自分なりに完璧な改造を施したのはいいのですが、走らせるのは室内で、「いまいちたぎるものがないな」と、子供の私は悶々とします。そんな時、ついにタミヤ公式の「ミニ四駆大会」が開催されることになったのです。

 最強と信じてやまない自機の「エンペラー」を携え、母に頼んで大会が開かれるデパートの屋上に連れて行ってもらいました。多くの少年少女がおり、大人もちらほらいます。公式の大会ということで、緊張感も漂う会場と、けたたましいモーター音でコースを滑る爆走ミニ四駆に私は完全に「ブルって」しまい、エントリーすることなく「帰る……」と言い出し、困惑する母とともに帰宅しました。「せっかく来たのに」と、少し怒っている母の顔を鮮明に憶えています。

●マイブームの終焉 子供を熱狂させた「アバンテJr.」

 そしてミニ四駆は「アバンテJr.」という、とんでもないマシンをリリースしました。洗練されたブルーのボディ、タイヤも「イボイボ」ではなく「ツルツル」。バンパーに付属するローラーも標準装備、そしてなんといってもすでに「肉抜き」されているという優れものでした。

 私はすぐに飛びつき、発売日に何軒もおもちゃ店を巡りましたが、売り切れです。日を置いても売り切れになっていました。それでもあきらめず店巡りをしていると、ふと気付いてしまいます。これまで危険を顧みず肉抜きしたことや、お小遣いを全部使ったパーツが「不要」になるのではないか、と。そんなことが頭をよぎると、突然、熱が冷め、自分のなかの「ミニ四駆ブーム」が終焉に向かっていきました。

 現在でもミニ四駆専門店や走らせて遊ぶカフェ、公式の大会も開催されるなど人気は衰えていないようです。大人になり、子供のころのお小遣いでは買えなかったあのマシンやパーツを揃え、贅沢カスタムをしてみるのも楽しいかもしれませんね。

(南城与右衛門)

【画像】何が違う? ミニ四駆の「ホットショットJr.」と「ホーネットJr.」(4枚)

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