昭和ゲーム少年を泣かせた「リセットボタン」の悲劇 事故だけでなく「母ちゃんの鉄槌」も
かつてのゲーム機には、「リセットボタン」が搭載されており、誤作動や再プレイの際は本体に指を伸ばしていました。ですが、プレイヤーである「僕」以外の事情によってリセットされることもしばしば。そんな当時の出来事を振り返ります。
リセットボタンを押す理由が、僕以外にあった「あの時」
最近のゲーム機には、物理的な「リセットボタン」が見当たらなくなりました。ホーム画面に戻るボタンや、強制的にリセット状態にする機能などが、かつての「リセットボタン」の役割も果たしています。
当時、特に昭和時代のファミコンやスーパーファミコンなどは、本体に「リセットボタン」があり、これを押すと遊んでいたゲームがリセット。タイトル画面に戻り、セーブしていないゲーム進行はなかったことになります。
初期のファミコンはセーブ自体がなく、リセットはゲームの初期化とほぼ同様。後に、パスワードやバッテリーバックアップなどでゲーム進行が継続可能になりましたが、それでも進行保存後のプレイはリセットで消えてしまいます。
TVがあるのはリビングのみという時代だったので、ニュースや他の番組が見たい家族がいれば、ゲームを遊ぶ時間は必然的に限られます。その貴重な時間で遊んだ分が、リセットで消えてしまうのは、まさに悲劇です。
もちろん、プレイヤー自身の考えでリセットする場合は、自分で決めたことなので問題はありません。ですが、自分以外の要因でリセットされる事態がいくつもありました。当時、どんな理由で強制リセットが発生し、突然の不幸にファミコン少年たちが襲われたのか。「僕じゃないリセット」が起きた大きな4つの出来事を振り返ります。
●憎むに憎めない「猫リセット」
プレイヤー以外による、理不尽とも言える強制リセット。そのなかでも、特に回避が困難なのが「猫リセット」です。これは読んで字のごとく、飼い猫によるリセットです。
猫を飼っていない場合、「猫がわざわざリセットボタンを押す?」「たまたまでしょ」と思う人がいてもおかしくありません。ですが、偶然とは切り捨てられないほどの頻度で発生し、プレイヤー兼飼い主に大きな落胆を与えます。
一説によれば、猫は人間の気を引きたくて邪魔をすることがある、とも言われています。例えば、新聞や雑誌を広げて読んでいると、後からやってきた猫が、その新聞や雑誌の上にやってきて、そのまま居座ることがあります。本当に気を引きたいのかは、本人(本猫)に聞けない以上分かりませんが、狙って邪魔をするケースが少なくありません。
猫によるリセットボタン押しも、新聞や雑誌を邪魔するのと同じような行為なのでしょう。また、学習する知能があるので、たまたまリセットボタンを押した時に人間が反応した(=構ってくれた)ので、それを覚えて繰り返している可能性も考えられます。
偶然の事故か故意かは分かりませんが、いずれにせよ可愛い猫がやったこと。プレイ時間が無に帰したとしても、怒るわけにはいきません。