忘れちゃ困る! 小さな「ゲームボーイ」が僕らに見せた「大きな夢」
持ち運びに特化した任天堂の携帯型ゲーム機「ニンテンドースイッチ ライト」(2019年9月20日発売予定)が発表され注目を集めていますが、任天堂の小型ゲーム機の元祖といえば、30年前の1989年に発売された「ゲームボーイ」です。外出先にゲーム機を持ち寄って、友達同士で通信プレイをする楽しさは、この伝説のゲーム機から始まったのです。
日本人の「4人に1人」が買った、驚異の販売数

1989年に任天堂から発売された携帯型ゲーム機「ゲームボーイ」が、今年で発売30周年を迎えました。ゲームボーイは日本国内で3247万台、世界では1億1869万台を売り上げています。日本人の4人に1人が買った計算になるという、ものすごい数です。
ゲームボーイは子供が乱暴に扱うことを前提に設計されているため、その頑丈さも有名です。1990~91年の湾岸戦争では、爆撃を受けて外装が焼けただれながらも正常稼働したという逸話を残しています。この本体は今でもニューヨークの任天堂直営店で展示され、デモを流し続けています。
もちろん、筆者もゲームボーイを楽しんでおりました。
特に高校の修学旅行で同じ班のA君が持ってきていた『スーパーマリオランド』を交代で遊ばせてもらい、秋の夜長の暇つぶしをさせてもらったことをよく覚えています。
プレイしているとだんだん画面が暗くなってきて「電池切れそう!」と叫びながら、ギリギリまでマリオをぴょんぴょんジャンプさせていました。
とはいえ、高校時代の筆者はゲームセンターの対戦格闘ゲームにお金をつぎ込んでいたので、ゲームボーイに関しては借りてプレイしていただけでした。
正直に言うと、アーケードゲームの最新グラフィックに慣れた目には、ゲームボーイのモノクロ画面はそれほど魅力的には映らなかったのです。
後発として登場したSEGAのゲームギアやNECのPC-Engine GTはカラー対応だったので、むしろそちらに心惹かれていたのが事実です。
1994年には「プレイステーション」「セガサターン」など強力なグラフィック能力を持つ家庭用ゲーム機も発売され、ゲームボーイの存在感はますます薄れていきました。
筆者も「ゲームボーイはもう過去のもの」と考え、まったく情報を集めていませんでした。
しかし1996年のある日のこと、筆者は近所の公園でありえない光景を見て驚愕することになったのです。