忘れちゃ困る! 小さな「ゲームボーイ」が僕らに見せた「大きな夢」
『ポケットモンスター』の衝撃
10数人の小学生がゲームボーイを手にして集まっている光景に、「何してるんだろう?」と首をかしげながら、そのまま通り過ぎたような記憶があります。
しかし、それから公園やショッピングモールといった場所でしばしば同じような光景に遭遇し、「自分の知らないところで何か流行ってるな」と考えて情報を集め、『ポケットモンスター赤・緑』というソフトの存在を知りました。令和の時代にまで続くポケモンシリーズ、その輝ける第1作です。
『ポケットモンスター赤・緑』は、赤と緑それぞれのソフトで登場するポケモンが異なっており、ゲームボーイ同士を通信ケーブルでつないで交換することにより、全ポケモンのコンプリートが可能になります。
子供たちが集まっていたのは「自分が持っていないポケモンをコンプリートするため」だったのです。すでに終わったはずのゲームボーイが、新たな伝説を刻み始めた瞬間でした。
やがて当時大学生だった筆者の友人の間でも『ポケモン』がプレイされるようになり、ゲームボーイ発売後7年目にして、ついに筆者も購入を決意しました。
そうして筆者が手に入れたのが……スーパーゲームボーイでした。
はい。ツッコミをどうぞ。
今は分かってます……。スーパーゲームボーイには通信機能が無いってことくらい……。
買った後で気づいたんですよね……。
友人には「それじゃポケモン全制覇できねーよ」と思いっ切り笑われました。
結局ゲームボーイ本体は購入しなおしてプレイしましたが、「収集」「育成」「バトル」という3つのゲームの楽しみを高いレベルで兼ね備えていた、とても面白いゲームでした。
ゲームの面白さとは、グラフィックの素晴らしさだけではないと教えてくれたのが、ゲームボーイとポケモンだったと思います。
その後、1998年には後継となる「ゲームボーイ カラー」が発売され、これも人気となりました。さらに任天堂は「ゲームボーイ アドバンス」「ニンテンドーDSシリーズ」「ニンテンドー3DS」と携帯型ゲーム機を次々と発売し、大きな存在感を示し続けています。
そして2019年9月には、最新の携帯型ハードとして「ニンテンドースイッチ ライト」が発売されます。これからも、任天堂の携帯型ゲーム機は私たちを楽しませてくれることでしょう。
(早川清一朗)