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ファン熱望! なのに「実写化」されないアメコミヒーロー 制作者を悩ませる理由とは

なぜ「映像化」実現しない? 狂気のヒーロー「ム―ンナイト」

多重人格者という異色のヒーローの物語、『ムーンナイト/光 (ShoPro Books) 』(小学館集英社プロダクション)
多重人格者という異色のヒーローの物語、『ムーンナイト/光 (ShoPro Books) 』(小学館集英社プロダクション)

「実写化に最も近い」との声もあがり、ファンからの人気の高いキャラクターが、1975年に登場した「ムーンナイト」です。今回の作品発表でも注目されていたキャラクターのひとりで、以前にもNetflixでのドラマ化計画が浮上していましたが、実現しませんでした。

 2018年公開の『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の脚本家クリストファー・マルクスも「すばらしい『ムーンナイト』の映画版を誰かが作らなきゃいけないと思うんです」と言い切ってから、「でも、ややこしいんですよね」と語っているのです。

「ムーンナイト」は、白いフードと大きなマント、モノトーンで統一されたコスチュームと三日月がトレードマークの元傭兵のスーパーヒーロー。秘密の生活を完璧に守り抜くために人格をふたつに分離させたことで、解離性同一性障害になっているという設定が特徴的です。

 多重人格者であることでヒーローたちに不気味に思われるなど、決して正統派のヒーローではないのですが、その独特なキャラクターを魅力的に感じるファンは少なくありません。

 武器や格闘術のエキスパートで、乗り物の運転も得意。登場当時はバットマンとの類似性も言及されましたが、大きな特徴である「精神的な不安定さ」がオリジナリティを出していました。

 一時はキャプテン・アメリカ、スパイダーマン、ウルヴァリンというヒーローたちの人格を脳内に作り出し、妄想の3人と脳内会議を繰り広げるなど、異常ともいえる行動が増えたことも。一方で、人格を切り替えることで問題を解決するという、彼ならではの強みも描かれています。

 バイオレンスな描写が多く、ヴィランへの残忍さは目を見張るものがありますが、『デッド・プール』が実写化されたことを考えると、そこはクリアできるでしょう。さらに格闘術とハイテクアイテムを使った戦闘などは映像化にも向いており、そこは期待できる点です。

 実写化のネックになっているのはやはり、「ムーンナイト」のキャラクターの物語の部分です。単独の映画としてはキャラクターの心情変化などが書ききれないとされており、長期にわたって物語を描けるドラマでの実現化を望む声が多いのです。

 多くの関係者が「ムーンナイト」について、複雑で変化が早く、映像で見せることにひと苦労するキャラであるとしています。しかしその魅力を語る人も多く、愛されるマーベルキャラクターとしても知られているのです。

 MCUがフェイズ3を終え、アベンジャーズが解体し、いま新たな物語がまた生まれ始めているなかで、「ムーンナイト」のようなクセが強いキャラクターが新しい風を巻き起こしてくれる日を期待したいところです。

(大野なおと)

【画像】マーベルキャラクターの新世界! 2020~21年に公開予定のMCU作品たち

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