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医師が読む「医療マンガ」、1位は『ブラック・ジャック』 広い影響に期待と懸念の声

現役の医師を対象に「医療マンガ」に関するアンケートが実施され、医師たちからもっとも支持されている作品は手塚治虫『ブラック・ジャック』であることが明らかに。回答者の6割以上は医療マンガが「好き」だと回答していますが、一方でフィクションと現実のギャップについて懸念の声もあがっているといいます。

現役医師の7割、マンガに「ツッコミを入れたくなった」

現役医師への調査で「好きな作品」1位となった、『ブラック・ジャック』第1巻(秋田書店)
現役医師への調査で「好きな作品」1位となった、『ブラック・ジャック』第1巻(秋田書店)

 医療現場を舞台としたドラマを描いた「医療マンガ」について現役の医師たちが答えたアンケート結果が発表されました。調査を実施したのは、医師向け情報サイト「エピロギ」を運営する株式会社メディウェル(北海道札幌市)で、同会員の医師303人から回答を得ています。

 まず、「医療漫画を読むのは好きか?」の質問に対し、回答者の63%が「はい」と回答。続いて、具体的に好きな医療マンガについて最も多くの現役医師が選んだ作品は、手塚治虫の『ブラック・ジャック』でした。

 以下、2位『医龍-Team Medical Dragon-』(乃木坂太郎/小学館)、3位 『コウノドリ』(鈴ノ木ユウ/講談社)、4位 『ブラックジャックによろしく』(佐藤秀峰/講談社)、5位 『研修医 なな子』(森本梢子/集英社)と続きます。

『ブラック・ジャック』を選んだ理由については、「子どもの頃、漫画を読んで医師になりたいと思った」(50代男性、整形外科)「全体に社会風刺が効いている」、(50代男性、一般外科)、「きれいごとだけでなく、医療や社会の矛盾などを考えさせられるから」(40代女性、神経内科)などの声が寄せられており、同作品の主人公が見せるヒューマニズム要素には、多くの医師も共感していることがうかがえます。

 一方、医療マンガを読んでいて「ツッコミを入れたくなった」と回答した人は71.5%にのぼり、医療現場の現実とのギャップが気になる医師は多いことがわかります。

 具体的に気になった場面描写としては、「病院の屋上は出入りできない」(40代男性、精神科)、「主人公が熱意ある設定が多いが、研修医が終われば楽できるところを探す人が多いので、あんな主人公は存在しない」(30代女性、精神科)などの意見が。

 また、「カリスマスーパードクターがいると誤解を与える」(50代男性、麻酔科)、「過剰な期待が怖いです」(50代男性、精神科)、「医師を美化しすぎると思う」(30代男性、一般内科)など、患者への影響を懸念する声がある一方で、「仕事の過酷さを訴えて欲しい」(50代男性、循環器内科)、「医療現場の悲哀、矛盾や葛藤を伝える場になるとよい」(50代男性、脳神経外科)、などの意見も寄せられています。

 調査結果では、現実とマンガでの描写にギャップがあることは認めつつも、「真剣に医療を志す動機になったり、医療現場の苦しさを理解してもらえたりするきっかけになることはあるようで、その点はありがたい」(40代男性、小児科)など、医師たちの多くは医療現場で感じている過酷さや葛藤、そして日本の医療の現実について、マンガを通じて広く知ってほしいという思いを抱いていることが感じられるのです。

(マグミクス編集部)

※株式会社メディウェルによる調査結果の詳細は、医師向け情報サイト「エピロギ」https://epilogi.dr-10.com/articles/3913/(前編) https://epilogi.dr-10.com/articles/3924/(後編)に掲載。

【画像】現役医師が選んだ、「好きな医療マンガ」1位~5位と「好きな理由」

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