SNSを沸かせたシャチの擬人化マンガが単行本化「ただの異種間恋愛じゃない」
ナルシストでクセのある性格のオルカ(シャチ)と、女性飼育員の交流を描いたSNS発のマンガが単行本化され、2019年8月に発売されます。同作品はいわゆる「擬人化マンガ」の形をとりながら、海洋生物への関心が高まるストーリーマンガとして、SNSなどで多くの読者の支持を集めています。
ナルシストのシャチと女性飼育員。互いに興味が深まり…。
美しい擬人化シャチと女性トレーナーの交流を描いたマンガ『モルトバール』が単行本化され、2019年8月29日(木)に発売されます。作者は、昆虫や海洋生物の擬人化が得意な漫画家のマダカンさん。作品は2018年にTwitterなどで公開され、多くの読者に支持されています。
今回の単行本化の発表に、SNSでは「すごく好きな作品」「シャチ愛がすごい」「ただの異種間恋愛じゃないのが良い」などの声があがっています。
物語の舞台は、海洋生物研究所を兼ねる水族館。群れから抜け出して旅をしていた一頭のオルカ(シャチ)が保護されるところから始まります。居合わせた飼育員のジャクリーンに、弱っていたオルカは人間の言葉で話しかけます。
ところが、そのオルカは尊大な性格のナルシスト。性にも奔放な言動で生真面目なジャクリーンを困惑させますが、オルカも人間のジャクリーンをもっと知りたいと興味を示します。ジャクリーンはオルカを「モルトバール」と名づけ、彼が元気を取り戻すまで水族館でお世話することになります。物語はこのふたりの会話と交流を軸に進んでいきます。
もとは別々の世界に住む異種同士の交流ですが、お互いの習慣や考えについて理解が進むにつれ、彼らは言葉を使って交流する関係を、ふたりだけの秘密にしておきたいと思うようになります。
「擬人化もの」と聞くと、シュールでマニアックな描写を連想する人もいるかも知れませんが、『モルトバール』の主軸はあくまでシャチと飼育員の愉快なやりとりであり、あわせてシャチやイルカなどクジラ類の生態についても知ることができるストーリーマンガです。
現在、出版界ではSNSやインターネット発のコンテンツの書籍化が隆盛しています。
同作品の商業出版を手掛けるぴあ株式会社でも、大ヒットしているペット系マンガ『パンダと犬』、育児系マンガ『育児ってこんなに笑えるんや!』、シュール系マンガ『山田全自動でござる』などの作品を書籍化していますが、ネット発のストーリー系マンガの書籍化は初めて。『モルトバール』が、“シャチ×飼育員”という大変珍しい着眼点をもつ作品であるという点に注目し、書籍化が決定したとのことです。
異なる種の生き物である以上、いつかはそれぞれの生きる世界へと戻る日がやってきます。互いに絆を深めるモルトバールとジャクリーンの物語は、海に生きる生き物の世界への関心を呼び起こしてくれることでしょう。
(マグミクス編集部)