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『Zガンダム』「カミーユは問題児」ってホント? 不遇イメージに埋もれがちな「素直さと優しさ」

アニメ『機動戦士Zガンダム』の主人公、カミーユ・ビダンといえば「すぐにキレる」「ヤバい主人公」「迷言製造機」といった印象で捉えられがち。たしかに序盤は主人公らしからぬトンデモ行動が目立ちますが、物語が進むにつれてカミーユは人として、パイロットとして成長していきます。今回はそんな彼の成長譚を振り返りましょう。

主人公らしからぬ行動が目立つカミーユだが…

世間のイメージとは裏腹に、カミーユはそれほど問題児ではない? 画像は『カミーユ・ビダン×ぴあ』(ぴあ)
世間のイメージとは裏腹に、カミーユはそれほど問題児ではない? 画像は『カミーユ・ビダン×ぴあ』(ぴあ)

「そこのMP!一方的に殴られる痛さと怖さを教えてやろうか?」
「ハハハハハ……ざまあないぜ!」
「歯ァ食いしばれっ!そんな大人、修正してやる!!」
「暴力は……いけない……」

 これらのセリフはすべて『機動戦士Zガンダム』の主人公、カミーユ・ビダンが放ったものです。主人公らしからぬセリフからわかる通り、彼は「ガンダム」シリーズ随一の問題児として知られています。

 ちょっとしたことですぐに暴力をふるい、相手が軍人だろうと上官だろうとお構いなし。怒られても言い訳ばかりで、ガンダムで無断出撃したことも一度だけではありません。そのイメージが強いせいか、ネット上でも「名前をイジられただけで軍人に顔面パンチする主人公」「上官にも平気で殴りにかかる倫理感ぶっ飛び野郎」「生身の人間にバルカン乱射して高笑いする畜生」などとイジられています。

 しかしよくよく見返してみると、実はとんでもない言動を連発するのは最初だけ。それこそ序盤はティターンズのMS(モビルスーツ)パイロットに顔面パンチ、自分を尋問したMP(ミリタリーポリス)に公務執行妨害、挙げ句の果てにはガンダムMk-IIを奪って生身の人間にバルカンを向けていましたが、ストーリーが進むにつれてカミーユの問題行動は少しずつ影を潜めていきます。

 はたしてカミーユは、本当にシリーズ随一の問題児だったのでしょうか。

●ブライトも認める素直な少年へと成長

 たとえば第9話のカミーユは、ハロの修理を優先して集合の号令を無視しています。エマ・シーンから「あなたパイロットなのよ」と咎(とが)められても「僕はまだ軍属じゃありませんよ」と屁理屈をこね、最終的にウォン・リーの修正(鉄拳制裁)を受けていました。

 しかし思いのほか修正が効いたのか、10話以降からカミーユの受け答えが比較的素直になります。エマから注意を受ければ「気をつけます」、上官からの命令にも「はい」、ヘンケン・ベッケナーから褒められた際には「ありがとうございます!」と感謝の言葉を口にしています。第14話でハヤト・コバヤシに怒られた時もほとんど口応えしていませんでした。

 それでもたまに「ステファニーさんにそんな権限はありませんよ」「冗談です」とポロッと本音が出たり、「気をつけます」ばかりで頑なに「やりません」と言わなかったり……。「口数が多いんだから、トーレスの奴。トーストにしてやる」と小言をこぼしたこともありましたが、第26話ではブライト・ノアから「素直になったものだ」と感心されるほどパイロットとして成長しています。

【画像】「ヤバい奴」と思われても仕方がない? カミーユ・ビダンのトンデモ行動(5枚)

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