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打ち切りピンチからジャンプの頂点へ。『キン肉マン』を国民的作品にした「凄さ」とは

「週刊少年ジャンプ」を代表するマンガ『キン肉マン』の連載開始40周年を記念して、「キン肉マン 友情の40周年展」が、9月より大阪・東京・名古屋の各都市で開催されることが発表されました。40年もの間、ファンの心をとらえて離さない『キン肉マン』の魅力とは? 連載開始当初から振り返って解説します。

熱血プロレス路線への転換で読者アンケート1位の座に

『キン肉マン 友情の40周年展』 2019年9月から11月にかけて、大阪、東京、名古屋の順で開催される (C)ゆでたまご/集英社
『キン肉マン 友情の40周年展』 2019年9月から11月にかけて、大阪、東京、名古屋の順で開催される (C)ゆでたまご/集英社

 多くのファンに支持され、2019年で連載開始から40年を迎えた『キン肉マン』の勢いが止まりません。『学研の図鑑 キン肉マン「超人」』の発売、連載40周年記念のムービー公開など、話題沸騰の発表があいつぎ、9月には東京・名古屋・大阪で『キン肉マン 友情の40周年展』の開催も決定しています。

 もはや国民的作品といえる『キン肉マン』は、その40年の歩みのなかでどのように読者の心をつかんできたのでしょうか。

『キン肉マン』は、ゆでたまご(原作・嶋田隆司と作画・中井義則の合同ペンネーム)のデビュー作として1979年5月より「週刊少年ジャンプ」で連載がスタートしました。途中、主人公が世代交代する『キン肉マン2世』を挟みながら、40周年を迎えた現在も週刊プレイボーイWebで週刊連載されています。

 その原型は、嶋田さんが小学生の時にノートに描いていた漫画『キン肉マン』。同じ小学校に通っていた2人はそのマンガをきっかけに意気投合し、やがてコンビを組み漫画家を目指すようになりました。

 現在では熱血マンガの印象が強い「キン肉マン」ですが、連載開始当初はウルトラマンのような巨大ヒーローをパロディ化したギャグマンガでした。怪獣退治のアテにならないダメヒーローのキン肉マンは人気面でも苦戦し、ジャンプ黄金期を代表するマンガとなった現在からは信じられないほどの打ち切りのピンチにも遭いました。

 超人のバリエーションが一気に増えることとなった「超人オリンピック」編から、物語は徐々に熱血プロレス路線へと舵をきりはじめ、キン肉マンの対戦相手も「怪獣」から「超人」へと変わっていきます。

 ウォーズマン、ブロッケンJr.などが登場する二度目の超人オリンピックでは、のちに「正義超人」と呼ばれる人気キャラクターの多くが出そろって読者の心をつかみ、続く「7人の悪魔超人編」でついにアンケート1位を獲得し、『キン肉マン』は文字通りジャンプの頂点に立つマンガとなったのでした。

【画像】「超人」の全てがわかる!? 『学研の図鑑』解説の一部(7枚)

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