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昭和スポーツ漫画の「トンデモ描写」がありえないレベル 生死かけた球場バトルも

後世に影響残す『アストロ球団』 野球の試合なのに死者も

『アストロ球団』第1巻(太田出版)
『アストロ球団』第1巻(太田出版)

 また、身体の限界を超えた「トンデモ描写」といえば、アラフォー、アラフィフ世代の方々が思い出すであろう『侍ジャイアンツ』(梶原一騎原作/井上コウ画)でしょう。主人公の番場蛮が繰り出す「ハイジャンプ魔球」や「エビゾリ・ハイジャンプ魔球」、「大回転魔球」や「分身魔球」は、もはや超人の域です。

 そして「超人」といえば、1972年から「週刊少年ジャンプ」で連載された『アストロ球団』(遠崎史朗原作/中島徳博画)です。かの沢村栄治の魂を受け継いだ9人のアストロ超人(ラストのラストまで7人しか超人は集まりません)が「打倒アメリカ大リーグ」を掲げて、野球というよりもハチャメチャなバトルを繰り広げる同作品は、一度見ると忘れることのできないものです。

 主人公の宇野球児(後の宇野球一)を中心に、まずはチームメイトとなる『アストロ超人』を集めることからこの物語はスタートしますが、阪急に入団済みだった明智球七、球八兄弟に至っては、巨漢の弟の球八が兄・球七をブン投げ、どんなホームランボールでもアウトにしてしまうという離れ業を見せます。

 また、ヒットを打った打者が一塁へ行くことを阻止する、ビクトリー球団の「人間ナイアガラ」(ただの走塁妨害)も、なかなかインパクトのある「トンデモ描写」です。この『アストロ球団』の壮大すぎるバトル展開(野球の試合なのに死者が出ます)は、後に同じ「少年ジャンプ」連載の『リングにかけろ』(車田正美作)などへ受け継げれていくことになります。

 現代のスポーツバトルマンガにもひけを取らない、昭和スポーツマンガの「トンデモ描写」ですが、何よりこの時代の作品には破天荒でハチャメチャな「熱さ」が多くの読者を楽しませていました。不可能を可能にする。そんな昭和のマンガならではの楽しさを、一度堪能してみてはいかがでしょうか?

(渡辺まこと)

【画像】現実にありえない! けど実写化されてた「野球バトルマンガ」(7枚)

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