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嫌いになんてなれない! 「実はいい人」かもしれない『ジブリ』の悪役キャラ3選

『スタジオジブリ』では、個性豊かな敵キャラが多く登場します。そんな敵キャラは、悪役として登場したにも関わらず「実はいい人なのでは?」と思わせるシーンも数多く描かれました。

見方を変えると「善人」の部分があるのかも?

湯婆婆と千尋 画像は『千と千尋の神隠し』の場面カット (C)2001 Studio Ghibli・NDDTM
湯婆婆と千尋 画像は『千と千尋の神隠し』の場面カット (C)2001 Studio Ghibli・NDDTM

『スタジオジブリ』作品には、多種多様なキャラクターが登場します。そのなかでも、個性豊かな悪役たちは作品では欠かせない重要な役回りを担っています。そして「ジブリ」作品の悪役たちのなかには、悪役でありながら「嫌いになれない」魅力を持った人物が多いです。「実はいい人かもしれない」という声があがった悪役といえば誰を思い浮かべますか。

●『もののけ姫』エボシ御前

 まずは映画『もののけ姫』で、主要人物・サンと敵対していた、タタラ場の指導者・エボシ御前です。エボシは敵対する者がたとえ神であっても容赦せず、自分たちの暮らしを守るためなら味方(人間側)に多少の犠牲が出ても仕方がない、という冷徹な考えを持つ人物です。

 実際に物語の序盤でエボシがモロ一族の襲撃を受けたとき、行動をともにしていた牛飼いが崖に転落しても助けるそぶりを見せず、そのまま帰路に着きました。

 しかし、身売りされてきた若い娘を買い取る様子や、ハンセン病患者と思われる「病者」たちを保護して仕事を与えるなど、弱者に対しては救いの手を差し伸べる場面も描かれています。弱い者を切り捨てるのではなく、彼らにできることを考え一緒に生きていく、というエボシの姿勢から、タタラ場の住人はエボシを心から慕っていました。

 エボシの人気はタタラ場の住人だけでなく、ファンからも「エボシ御前が男前で好き」「誰よりも人間らしい悪役で嫌いになれない」などとエボシに好感を持つ声があがっていました。

●『千と千尋の神隠し』湯婆婆

 続いて、映画『千と千尋の神隠し』で主人公・千尋の雇い主となった湯屋「油屋」を経営する湯婆婆(ゆばーば)です。湯婆婆は、大きな頭に独特のヘアスタイル、ぎょろりとした眼や鉤鼻(かぎばな)など、人間離れした風貌を持つ魔女でした。

 湯婆婆は千尋の両親を豚に変えてしまったり、名前を忘れさせるために千尋の名前を奪ったりと、千尋を自らの支配下においてしまいます。この行動だけを見ると恐ろしさを感じる湯婆婆ですが、その行動をとった「理由」に着目すると、そこまで恐ろしい人物ではないことが分かります。

 そもそも、湯婆婆が千尋の両親を魔法で豚に変えてしまったのは「お客様に出す料理を勝手に食べてしまった」からです。千尋の両親が、油屋でのルールを勝手に破ってしまったことに罰を与えたということで、行動に理屈が通っています。

 さらに、湯婆婆は油屋の主として、迷惑行為を行う客には毅然とした態度をとっています。たとえば油屋にあがり込んでしまった正体不明の生き物・カオナシが暴走した際には「お客様とて許せぬ!」と魔法の光をカオナシに放ち、店と従業員を守ろうとしていました。そのほか、名のある川の主が、汚染によって悪臭を放ちながら来店したときには、自ら店頭に立ち、出迎えています。

 湯婆婆はルールを守らない者や理屈の通らないことには厳しいですが、それ以外のことでは部下を守り、労働環境を守る優れた経営者である、といえるでしょう。

 そんな湯婆婆の経営者としての姿勢について、SNS上では「湯婆婆は経営者のスキル半端ない」「大人になってから、部下の手柄はしっかり褒めて評価するという湯婆婆の優秀さがわかる」などの声があがっており、多くのファンが湯婆婆を評価していることが分かります。

【画像】悪役なのになぜか嫌いになれない、魅力たっぷりのキャラクターたち(6枚)

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