「ドラクエ」人気で次々生まれた? ファミコンの「竜退治ゲーム」たち 名作・珍作いろいろあり!
操作性が厳しい! 理不尽なアクションゲーム

●『ドラゴンスクロール 蘇りし魔竜』
トップビュー(見下ろし視点)で進むアクションRPG『ドラゴンスクロール 蘇りし魔竜』(以下、ドラゴンスクロール)は、コナミより1987年12月4日に発売されました。本作のポイントは、「善の龍(ゴールドドラゴン)と悪の龍(クロムドラゴン)が熾烈な争いを繰り広げている」こと。ゴールドドラゴンの人間態である「フェナム」は、世界に平穏をもたらすべく、復活を遂げた魔竜の討伐へ赴きます。
丁寧に書き込まれたフィールドマップと良質なBGMが冒険心を掻き立てる反面、本作は難解な仕掛けの数々で知られています。RPGといえばNPC(ノンプレイヤーキャラクター)への聞き込みや周辺探索を通して情報を集めるのがセオリーですが、『ドラゴンスクロール』の場合、必ずしも得られる情報が正しいとは限りません。
また、マップが広い一方で不要な場所も多く、「苦労してダンジョンを探索したのに何もなかった」と、徒労に終わることもありました。謎解きの複雑さを抜きにすれば良作といっても差し支えない『ドラゴンスクロール』ですが、リアルタイム世代からも「唯一クリアできなかったゲーム」として、本作を挙げるユーザーが少なくありませんでした。
●『ドラゴンズレア』
『ドラゴンズレア』は、1983年にアーケードゲームとしてデビューしたのち、約8年後にファミコンへ移植された作品です。オリジナル版は北米で生まれ、市場でも珍しい「レーザーディスクゲーム」という触れ込みで話題を集めましたが、ファミコン版は評価が一変。理不尽なクソゲーという烙印を押されてしまいました。
本作がクソゲーと呼ばれる理由は「操作性の悪さ」にあります。プレイ中はトラップやモンスターをかいくぐってステージ奥へ進む必要があるものの、キャラクターのアニメーションがやたらと描き込まれており、移動のみならず態勢をスムーズに変えることもままなりません。
加えて自キャラの頭身と当たり判定も大きく、接触ミスを避けて先へ進むのは非常に困難です。まず操作に慣れること自体が難しく、ユーザーによってはステージ1(橋をわたって城へ乗り込む)の段階で匙(さじ)を投げてしまう場合も。オリジナル版の再現や美麗なグラフィックなど良い点もあるだけに、「頼むからゲーム性を何とかしてほしい!」と願わずにはいられない1本でした。
(龍田優貴)