【ちびまる子ちゃん展】日本一有名な「小学3年生」、舞台は70年代なのに今も愛される理由
2019年8月8日〜8月26日まで、『ちびまる子ちゃん』のアニメ化30周年を記念した展示会が東京で開催されています。舞台は1970年代、作者の少女時代を題材に描いた作品がどのようにして国民的作品として愛されるようになったのか、女漫画に詳しい芸人の別冊なかむらりょうこさんが解説します。
連載のなかで増えていった、登場人物とその魅力
国民的作品『ちびまる子ちゃん』のアニメ放送がまもなく30年を迎えます、このことを記念し、東京で「アニメ化30周年企画 ちびまる子ちゃん展」が開かれています。1970年代を舞台とした同作品が、マンガとアニメで30年以上愛されているのはなぜなのか、少女漫画に詳しい芸人の別冊なかむらりょうこさんが解説します。
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さくらももこ先生による『ちびまる子ちゃん』は、1986年から1996年まで少女マンガ雑誌「りぼん」(集英社)でレギュラー連載され、1990年にアニメ放送が開始、2020年には放送開始30周年を迎えます。
今回の「ちびまる子ちゃん展」では、少女マンガ誌から生まれ、テレビアニメになり、日本一有名な小学3年生となっていった『ちびまる子ちゃん』を年代順に振り返っていく構成で見せてくれています。
少女マンガであり、国民的アニメである『ちびまる子ちゃん』は、どのように愛されてきたのでしょうか。
『ちびまる子ちゃん』の主役・まるちゃんは、静岡市清水区で子供時代を過ごしたさくら先生自身の投影キャラクターです。連載当初は小学生時代の実話をもとにしたエッセイ調の作品でしたが、連載を重ねるにつれてフィクションを含めた作風に変化し、それとともに登場人物の数や個性、そして魅力が増大。『ちびまる子ちゃん』の人気キャラクターのスピンオフとして漫画『永沢君』が生まれるなど、一人ひとりが活躍しています。
展示では、そうした色濃いキャラクターたちとともに、クラスメイトとさくら家の比較図もあり、身長の比較から生年月日などの基本情報のほか、「クラスメイトとして実在した人」といった興味深い情報も。
また、さくらももこ先生直筆のアニメのプロットや脚本も数多く展示されています。文房具屋さんで売っていそうな原稿用紙に、劇場アニメ『ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌』などの設定や脚本が描かれている……私は奇跡を見ているのでしょうか。
他にも、各オープニング、エンディングソングのCDジャケット原画や色指定、初登場するキャラクターの設定画など、先生の「生」を感じられる貴重な資料が並んでいます。