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球場にはロマンと美食が詰まってる! 漫画『球場三食』は野球観戦のバイブルだ

高校球児の夢の舞台・甲子園。ペナントレース終盤で、優勝争いに燃えるプロ野球。日本の夏の風物詩とも言える野球の舞台である球場を、一大エンタメとして見せてくれるのがマンガ『球場三食』(作:渡辺保裕)です。球場に眠る夢とロマン、そして美食をこれでもかと詰め込んだ今作は、まさに「野球観戦の歩き方」のバイブルと言えるものでした。

「食」にとどまらない、球場エピソードの数々

マンガ『球場三食』第1巻(講談社)
マンガ『球場三食』第1巻(講談社)

 球場へ足を運んだ一人の青年。マンガ『球場三食』(作:渡辺保裕)の主人公である彼の名前は、第1巻終盤までわからないままです。自前でスピードガンを購入するほどの野球狂いである彼は、自分ルールをひとつ掲げています。それは「野球観戦日の食事は三食すべて球場内で調達する」こと。

 その原則を守るように全国の球場を渡り歩く彼は、次々と私たちに「球場グルメ」を見せつけてくれます。神宮球場で先着40名まで生麺が提供される、「麺や秀雄」の辛味噌ラーメン。西武ドーム「宮木牧場」の肉巻きおにぎり棒。阪神甲子園球場「ピザーラエクスプレス」のカレーベースボールピザ。どれもこれも美味しそうにほおばる姿は、まさに飯テロそのものです。

 しかもこの男、飲み物と食事のマリアージュへのこだわりもすごい! 西武球場で水餃子を食べる際には、売り子さんのレモンサワー。手打ちの武蔵野うどんのお供には、名物の狭山茶。年1回球場へ行くかどうかの筆者にとって、球場グルメの醍醐味といえば、せいぜいスタンドで飲めるビールくらい。まさか野球マンガで、ここまでの本格グルメを見せつけられるとは、思ってもみませんでした。

『球場三食』は徹頭徹尾「食」にフォーカスしているかと思いきや、球場を舞台にしたライブ感あふれる主人公の語りとエピソードも、読者を引き込みます。

 後部席に座っている観客が飲み物をこぼしても大丈夫なように、荷物は45Lのポリ袋にイン! 読売ジャイアンツ球場に行くのなら、無料のシャトルバスじゃなく全283段の階段を登る「巨人の道」を使う! 甲子園がほぼ満席のなか、空いた席を探してくれる親切なコンシェルジュさん。一方で同じ甲子園球場の阪神戦で、マナーの悪い観客と遭遇することもあります。いいことも悪いこともあるけれど、予測できないエピソードの裏に、球場のロマンが眠っているのです。

 選手たちの活躍が見られる球場も、今はなき歴史ある球場も。『球場三食』は膨大なうんちくとグルメを総動員させて、球場に詰まっている笑いと面白さをぶつけてきます。野球観戦への興味をグイグイ引き立ててくれるのはもちろん、ひいきの球団・球場がある人にとって、もう一度野球観戦の楽しさを振り返らせてくれる、バイブル的な作品です。

(サトートモロー)

【画像】出るべくして出た! 「甲子園球場」とのグルメコラボ

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