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『北斗の拳』はザコキャラもムキムキ!世紀末の意外な食糧事情とは?

『北斗の拳』といえば筋肉質なキャラクターたちが特徴ですが、無名のザコまで見事な「ムキムキ体型」をしています。核戦争後の荒廃した世界で、どうやって食糧を得て肉体を維持しているのでしょうか?

ちゃんとタンパク質は摂れるのか?

新たに描き起こされた究極版のカバーイラスト。1巻はケンシロウ。画像は『北斗の拳 究極版1巻』(徳間書店)
新たに描き起こされた究極版のカバーイラスト。1巻はケンシロウ。画像は『北斗の拳 究極版1巻』(徳間書店)

 国民的知名度を誇る「世紀末救世主伝説」を描いたマンガ『北斗の拳』は、2023年で40周年です。バイクやバギーにまたがったマッチョな無法者たち(通称ザコ)が暴れまわる「世紀末世界」で、北斗神拳伝承者のケンシロウが死闘を繰り広げます。

 しかし、舞台は食べ物どころか、きれいな水すら十分に行き渡らないように見える核戦争後の世界です。最強の男・ケンシロウやその他メインキャラはともかく、ザコたちはいったいどうやって、あの肉体を維持しているのでしょうか? 彼らの筋肉量維持にかかるコストから、『北斗の拳』の食糧事情について考察します。

●あの筋肉量を維持するのに必要なたんぱく質とは?

 作中では悪事を働いてはケンシロウにぶっ飛ばされるザコたちですが、あの肉体は簡単には作れませんし維持できません。フィジカルの才能の上に、努力と栄養管理があってこそのものです。

 諸説ありますが、筋肉量を増やす際は体重1kgあたり約2g、肉体を維持するだけなら体重1kgあたり約1gのたんぱく質が必要とのことです。見た目から、ザコの平均体重を100kgと想定しましょう。その肉体を維持するには、たんぱく質だけでも最低100gが必要です。部位にもよりますが、鶏肉100gには約20gのたんぱく質が含まれているので、換算すると1日の必要量は500g程度、増量期なら1日1kg必要です。

 鶏が1羽約2kg程度だとすると可食部は約50%なので、肉が取れるのは1kgほどでしょう。つまり、ザコはひとり1日0.5羽の鶏を食べます。

 また「全国食肉事業協同組合連合会」によれば、豚の可食部は内臓を除く肉の部分で43%とのことです。豚1頭100kgとするなら精肉は43kg取れる計算となります。豚肉100g当たり約14gのたんぱく質が含まれているので、ザコは1人1日あたり700gの豚肉を食べます。豚1頭で1日60人ほどのザコを養える計算です。

 これらは炭水化物などを除いた計算ですが、これ以下のたんぱく質量だとザコたちはあの筋肉を維持できず、痩せはじめてしまうでしょう。

●拳王軍の兵站

 世紀末の乱世を、暴力と恐怖で支配しようとするラオウが率いる「拳王軍」の正確な人数は不明ですが、ここでは仮に1000人として計算しましょう。軍団を維持するには、肉だけでも鶏換算で1日500羽、豚肉換算で1日17頭必要です。

 加えて、炭水化物も欠かせません。普通の成人男性が1日3合(約450g)の米を食べるとして、体重100kgのマッチョなザコが倍の1日6合(約900g)食べるとしたら、1000人で1日900kgも消費します。いつの時代も、軍隊は大喰らいですね。

 ザコ達が略奪行為に精を出していたのは、食糧調達に必死だったからだと思われますが、奪うだけでは毎日大変です。ガソリンを消費しながら、新たな略奪先を探して走り回る必要があるからです。食糧の安定供給のため、どこかで拳王農園や拳王牧場を運営していても不思議ではないと思います。

【画像】何食ってんだよ? 不自然なレベルでムキムキの『北斗の拳』ザコ敵たちを改めて見る(5枚)

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