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持ち主が残念? 『ジョジョ』強いのに不遇なスタンド 「本体のセリフ悲鳴だけ」

『ジョジョの奇妙な冒険』第3部から登場した「スタンド」は、同作を語るうえで欠かせない存在です。本体の傍らに出現し、特殊能力で相手を攻撃したり本体を守ったりする守護霊のような存在ですが、本体のせいでせっかくの強力なスタンド能力を生かせないこともありました。

使用者が違えばもっと有効に使われていたかも?

『ジョジョ』シリーズ3部のアニメ『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』のキービジュアル (C)荒木飛呂彦&LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険SC製作委員会
『ジョジョ』シリーズ3部のアニメ『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』のキービジュアル (C)荒木飛呂彦&LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険SC製作委員会

『ジョジョの奇妙な冒険』第3部から登場したスタンドは、持ち主の精神や才能を具現化したもので、1993年に発売された画集『JoJo6251荒木飛呂彦の世界』のスタンド解説では「生命エネルギーが造り出すパワーある像」と説明されています。それぞれ特殊能力を持つスタンドですが、本体の人間の力量によってあまり活躍できなかったものも存在しました。

●サン(本体:アラビア・ファッツ)

『ジョジョの奇妙な冒険』第3部のアラビア・ファッツが持つスタンドが「サン」です。サンはその名のごとく、本物の太陽と区別の付かない見た目をしています。

 その能力は地表温度を70度以上にまで上昇させ、高出力のレーザーでの攻撃も可能なうえに、射程距離も本体の真上であれば上空100mからでも高い攻撃力を維持するなど、かなり優秀なものでした。あまりのスタンドパワーの強さに、砂漠で攻撃を受けた主人公・空条承太郞たちは本体もスタンドの近くにいるはずと探しますが、なかなか見付けられませんでした。

 しかし、戦いは原作ではたった2話で終わっています。ただでさえ暑い砂漠で「太陽の能力」を使うため、アラビア・ファッツは内部にエアコンとドリンクを完備し、前面に大きな鏡を仕込んだ車でカモフラージュしながら承太郎たちを尾行して攻撃をしていました。そして、鏡のカモフラージュのせいで砂漠に全く同じ対称の形をした岩が存在する(影も逆)という事態になり、それを承太郞たちに見破られて、「スタープラチナ」に石をぶつけられ敗北します。

 アラビア・ファッツの出番は失神した姿のたった1コマで、セリフも断末魔である「ドギャス!」の一言のみと、本編では名前すら明かされないシリーズ屈指の出オチキャラとなってしまいました。「シンプルで最強格」「これ、初見ならDIOも倒せるんじゃないの?」と言われるほど強力な能力がありながら、本体が間抜けだったサンは、残念なスタンドであったといえるでしょう。

●20th Century BOY(本体:マジェント・マジェント)

『ジョジョの奇妙な冒険』第7部に登場した「20th Century BOY」は、バッタのような姿の身にまとうタイプのスタンドで、発動すると身動きが一切取れない代わりに自身が受けるダメージを周囲に散らすことができます。作中ではダイナマイトを巻き付けて着火し、馬車を大破させるという特攻戦法も使うなど、その強力な能力を見せました。

 ただ、本体のマジェント・マジェントはそんな能力を持つゆえか、もともと油断しやすい性格なのか、ウェカピポと一緒にマキナック海峡でジョニィとジャイロを襲った際、自分の能力を逆に利用され左目を失ってしまいます。その後、マジェントは自分を氷に覆われた海峡に置き去りにしたウェカピポに復讐しようと、前述した特攻戦術を仕掛けました。しかし、ウェカピポの「鉄球」の技によって、大破した馬車の車軸のワイヤーに絡まれ、身動きが取れないまま川底に沈みます。そして、マジェントは「20th Century BOY」で守られながら、川底で死ぬこともできずに最終的に「考えるのをやめる」という悲惨な末路を迎えました。

 残念な本体と永遠に川底にいることになった「20th Century BOY」でしたが、ファンの間では「仮面ライダーみたいでカッコイイ」「戦うつもりはない一般人としては一番欲しい能力」などと評判です。

●アンダー・ワールド(本体:ドナテロ・ヴェルサス)

 アニメも記憶に新しい『ジョジョの奇妙な冒険』第6部に登場した「アンダー・ワールド」は、地面が記録する過去の出来事を掘り起こして再現することが可能です。飛行機の墜落事故の記録を再現し、そのなかに相手を放りこむなど、いくつかの不確定要素はありながらもかなり強力な攻撃ができます。

 本体のドナテロ・ヴェルサスは『ジョジョ』1部と3部のボス・DIOの息子であり、生まれたときからのスタンド能力者ですが、自覚のないスタンド能力により散々な目に遭い、不運な人生を送っていました。そして、身も心もボロボロの状態で出会ったプッチ神父により、スタンド能力と自分の運命を理解します。

 ヴェルサスは恩人のプッチ神父を初めは信頼していましたが、徐倫との戦闘中に口出しばかりして態度も冷たい彼を、次第に疎ましく思う様になっていきました。そして、プッチ神父に反抗したヴェルサスでしたが、その結果ウェザーリポートのある「恐ろしい能力」を蘇らせることになり、最終的にプッチ神父に利用されて身代わりとして殺害されてしまったのです。

 ヴェルサスがもっと早くスタンド能力に気付いて修練していれば、「アンダー・ワールド」はもっと強力な使い方ができたかもしれません。能力に目覚めたばかりで百戦錬磨の徐倫たちと戦うのは、さすがに厳しかったと言えます。ネット上では「どんな記録でも掘り起こせるってチート過ぎじゃね」「調査にも攻撃にも有効だし、主人公側にいてほしかったかも」などなど、人気を集めるスタンドです。

(LUIS FIELD)

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