主人公は永遠に超えられない…「最強すぎ」な年長者キャラ 実はもう還暦越え?
「もうやめて!相手のライフはゼロよ!」まったくピンチになる様子もなく、めちゃくちゃ勝ちまくる、もはやギャグレベルのチートキャラっていますよね……しかも主人公以外で。
無敵すぎて笑っちゃう親父・師匠キャラ
大きな背中が頼もしくもあり、憎らしくもあり、つい弱点を探してしまうこともある、一騎当千の「作中最強キャラ」は、マンガの大きな見どころのひとつです。主人公の「師匠ポジション」でもあり、「主人公、永遠に超えられないんじゃね!?」と思わずにはいられない、少年マンガの「圧倒的チートキャラ」3人を振り返ります。
●『刃牙』シリーズより、地上最強の生物・範馬勇次郎
あらゆるものに「上から目線」な地上最強の父親、それが範馬勇次郎です。16歳にしてベトナム戦争でアメリカ軍をねじ伏せ、大国アメリカと個人で「友好条約」を結び、武術の知識はもちろん、一流の教養、マナーまで備える、マンガ界最大の「文武両道」キャラとも言えます。
初期からずっと「作中最強」のキャラで、一例を挙げると、息子の刃牙と戦っている最中に地震が起こるものの、勇次郎が地面を殴打すると揺れがピタリと止まりました。本当に勇次郎のパンチによるものかは不明ですが、自分の手で止めたことを完全に確信して「もう……心配ねェ」と言い出すなど、もはや常人から見れば「ギャグの領域」にいるキャラです。
さらにシリーズが進むにつれて、彼の衝撃しかない生涯の全貌が明らかになっていきます。勇次郎は自分が生まれる瞬間に「無事に取り出せッッ」「失敗(ミス)は許さんッッ」と産婆へ凄み、その日、彼が誕生したことを察した大国の指導者たちが「核兵器保有を決意した」とまで描かれていました。読者としては「最強なんだから、そういうものなんだな」と受け止めるほかありません。
さらに、刃牙と恋人の梢江が初体験をしようとしていると、いつの間にか部屋にいて「強くなりたくば喰らえ!!!」と説教して帰っていくあたりも、まったく手がつけられないワガママオヤジです。
そんな刃牙に一度「負け」を認めて(ダメージはほとんどなさそうでしたが)からも、範馬勇次郎の傍若無人な態度は変わりません。刃牙は刃牙で「親父の面倒は俺が見る!!!」と、「バトルジャンキー」な父親に一生付き合う覚悟まで決めています。軍隊でも敵わない超巨大アフリカゾウをあっという間に殺し、二刀流で向かってくる宮本武蔵を素手で圧倒し、移動となれば米軍に送迎をさせて、生身で走れば人工衛星が監視を始めてGPSがおかしくなるなど、もはや何もかも規格外です。勇次郎は1950年代生まれのはずですが、全く老けてもおらず、今後何が起きても死にそうにもない「地上最強のオヤジ」なのでした。
●『るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-』飛天御剣流の13代目継承者・比古清十郎
「幕末最強の人斬り」と謳われた緋村剣心が、師匠の元で再修行するも、一本取るまでに夜通しかかってしまいます。しかも師匠は、10貫(37.5kg)の重りと、筋肉を反り返らせるバネ付きの状態でした……。
飛天御剣流継承者・第13代目の比古清十郎(ひこ・せいじゅうろう)は、剣心いわく「間違いなく最強」で、剣心が最強の奥義を継承しても「せいぜい俺の足元どまりだな」と評するほど卓越した力の持ち主です。しかも比古清十郎は飛天御剣流の教え「時代の苦難から人々を守る」信念を抱く、不殺の誓いを立てた剣心の師匠に相応しい人格者でもあります。
作中で実戦の場に立ったのは一度きりでしたが、その活躍は抜群でした。志々雄真実の十本刀のひとり、二階建ての家屋よりも体躯の大きな巨人「破軍の不二」に襲われている弥彦を颯爽と救い、一振り交えただけで、不二の心中に秘めていた武人の心根を見出します。
「お前が全力を出しても倒せない男が こうして目の前に立ってやっているんだぜ」
巨体ゆえに異形の化け物と恐れられた不二は、はじめての理解者に涙し、「いざ!」「尋常に!」「「勝負!!!」」と正々堂々と勝負することにします。そして、体格差がまったくのハンデにもならず、比古は不二を殺さずに制したのです。しかも、重りとバネは付けたまま……。「この人には敵わないな」と剣心でなくともそう思わせる、至高の武人にして師匠が、比古清十郎という人物なのです。