マグミクス | manga * anime * game

「スパイダーマン」は必ず戻ってくる!『ファー・フロム・ホーム』世界的ヒットの理由

2019年6月に公開された『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』が、『007 スカイフォール』が2012年に樹立した世界累計興収11億ドルを超え、ソニー・ピクチャーズ配給作品としては史上最大のヒットを達成しました。スパイダーマン新シリーズの2作目となった本作は、なぜ多くの観客の心をつかんだのでしょうか。

圧倒的な「親近感」に『アベンジャーズ』の重厚ストーリーが絡む

『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』海外版ポスター(画像:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント)
『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』海外版ポスター(画像:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント)

 2019年6月に公開された『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』は、マーベルキャラクターの映像化作品シリーズ「MCU」の総決算と位置づけられた『アベンジャーズ エンドゲーム』の数か月後に公開された作品ということもあり、足を運んだ人は多いと予測できます。

 同作品は「スパイダーマン」シリーズとして過去最高だった前作『スパイダーマン ホームカミング』の世界累計興収8億8000万ドルを超え、ソニー・ピクチャーズ配給作品として史上最大のヒットとなったのです。

 今回の『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』の記録更新には海外での人気が大きく、国ごとの興行収入では中国、韓国、イギリス、メキシコ、ブラジルの順となりますが、本作の世界最速公開を迎えた日本も第6位にランクインしています。

 “親愛なる隣人”というキーワードで活躍し、世界各国で親しまれているスパイダーマンは、圧倒的な認知度を誇る、マーベルを代表するキャラクターのひとりです。「一番人気のヒーローである」というのも過言ではありません。人気上昇中のアイアンマンやDCコミックスのバットマンなど、アメコミヒーローのグッズは数多く販売されていますが、スパイダーマン関連のグッズの売り上げは断トツなのです。

 さらに、今シリーズのトム・ホランド演じる主人公・ピーターは、誰にでもあるような悩みを持った“スーパーヒーロー男子”であり、シリーズで毎回描かれるスパイダーマンとMJのロマンスや成長を、親近感を存分にアピールしつつ表現しているのも人気の理由でしょう。

 この人気ヒーローに、『アベンジャーズ』でのアイアンマンの死などの衝撃的な出来事を積んでストーリーを紡いでいけば、『アベンジャーズ』などで心をつかまれた人は必ず虜になるでしょう。実際に、マーベルがMCU「フェイズ3」というくくりの最後にこの作品をもってきたというのも納得です。壮大な「アベンジャーズ」の物語の締めを、街を守るヒーローであるスパイダーマンに任せたのも納得です。

【画像】日本で「アメコミ映画」を身近にした存在。「スパイダーマン」映像作品(7枚)

画像ギャラリー

1 2