【今夜10時】ドラマ『凪のお暇』は連載を追い越す? 原作の凝縮度と人物描写が凄い
2019年7月から放送開始したTVドラマ『凪のお暇』が人気を集めています。コナリミサト先生による原作マンガも大ヒットしていますが、ドラマ版は現在の連載内容に追いつく勢いと濃厚な人物描写が特徴で、マンガとドラマを見比べる楽しさも。少女マンガに詳しい、別冊なかむらりょうこさん(ワタナベエンターテインメント所属)が解説します。
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2019年7月から放送が始まったTBS系金曜ドラマ『凪のお暇』(毎週金曜22:00~)が絶好調です。放送のたびに、Twitterではタイトルである「#凪のお暇」だけでなく、「#慎二やべぇ」「#ゴンもやべぇ」など物語を象徴するワードがトレンド入り。また、雑誌「コンフィデンス」による視聴者ドラマ満足度調査「オリコン ドラマバリュー」でも、夏ドラマ及び2019年放送ドラマの「最高満足度」を記録するなど、視聴者の関心を引き続けています。
ドラマで初めて作品に触れた方も、もともとマンガを読んでいた原作ファンも虜にしている『凪のお暇』ですが、ドラマでは始まった当初からマンガの内容を密度濃く再現していたために、原作マンガの最新話に追いつかんばかりの内容となってきています。
「あと数話で誰も見たことのない展開となる!」と、ドラマへの注目がますます高まる少し前にいま一度、同作品について考えてみたいと思います。
コナリミサト先生による原作マンガ『凪のお暇』は、2016年から秋田書店「Eleganceイブ」で現在も連載中。既刊5巻、200万部超えの大人気作品です。マンガ連載が始まった当初、空気を読み過ぎて苦しくなる凪の姿を見て「え…これ私じゃね…?」と心がざわついた方も多かったようです。
『凪のお暇』で描かれるのは、凪の「生き方」。凪が感じてきた息苦しさや、たとえ一般的な「普通」の概念から外れても、自分の気持ちを行動に移そうと「お暇」する凪の姿に、思わず「頑張れ!」とエールを送りたくなります。
ドラマでは、凪の周囲の人物たちもより色濃く描かれ、原作通りでありながら「空気の読み方」の数値がバラバラな人びとのエピソードに、より自分を重ねやすくなっているのではと考えられます。