『たけしの挑戦状』まさかの舞台化! バブルの徒花、「タレントゲーム」の伝説とは
1980~90年代にかけて、芸能人をタイトルに掲げた「タレントゲーム」が数多く作られました。なかでも伝説として語り継がれているのが『たけしの挑戦状』です。2020年に舞台化されることが発表され、いま再び注目が集まるタレントゲームについて解説します。
一億人が考えたとしても解けない「謎」?

かつてファミコン向けに発売され、”伝説のクソゲー”として記憶される『たけしの挑戦状』が「ニッポン放送開局65周年記念公演」として舞台化され、『たけしの挑戦状 ビヨンド』と題して2020年4月に上演されることが発表されました。
『たけしの挑戦状』は、1986年にタイトー(現スクウェア・エニックス)より発売されたゲームソフトです。ゲームの内容は、攻略本がなければクリアすることは不可能な、不条理のオンパレードです。
あるサラリーマンが宝の地図を頼りに、南の島に眠っている財宝を探しに行くという内容なのですが、ゲーム中の選択肢をひとつ間違えれば、途中で飛行機が爆発したり、会社やヨメに日本に連れ戻されたり、原住民に釜茹でにされたり、財宝が横取りされたりということが起こる、超難解なゲームとして知られています。
その難しさ、ワケのわからなさから「伝説のクソゲー」などと呼ばれてはいますが、かなりポジティブに解釈すれば、毒舌全盛期だった当時のビートたけしなりの、「人生は不条理がいっぱいで、決して思い通りにいかない」という、当時の子供たちに対するメッセージが込められているのかもしれません。
そのビートたけし自身が、ゲーム発売直後に「フライデー襲撃事件」を起こしてしまうのは何とも皮肉な結果なのですが……。
ともかく、「謎が解けるか一億人」というキャッチフレーズでリリースされたこのゲーム。当時は、あまりの難しさに「ゲームオーバー」の葬式の場面でコントローラーを床に叩きつけた方も多かったでしょう。
また攻略情報を雑誌や書籍で懸命に集めてクリアしたとしても、「こんなげーむにまじになっちゃって どーするの」のメッセージが、ビートたけしの似顔絵とともに出てくるエンディングも、ムカつくことひとしおな思い出です。
ゲーム自体は、サラリーマンの主人公が街中でヤクザや警察官を殴り倒すという、のちの「北野映画」の伏線ともいえそうな横スクロールゲームなのですが、この内容が果たしてどんな舞台作品になるのかは、現時点では例え一億人が考えたとしても解けない謎かもしれません。